奄美駐屯地開設へ

奄美駐屯地開設へ

開設まで1カ月を切った奄美駐屯地(2月26日撮影)

呼称は「奄美警備隊」 31日記念セレモニー
「長年の願い実現」歓迎ムード

 奄美大島内で進められている防衛省の陸上自衛隊警備部隊配備計画に伴い、奄美市名瀬大熊地区に奄美駐屯地が3月26日、開設される。同日開設する瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子地区)と合わせ、警備隊、ミサイル運用部隊など約550人を新編。部隊呼称は「奄美警備隊」。自衛隊誘致に努めてきた団体関係者からは「長年の願いが実現。地域を挙げて受け入れ態勢を整えたい」と歓迎ムード。開設まで1カ月を切り、31日の記念セレモニー、地元でのパレードなど関連行事も明らかになってきた。

 配備計画によると、奄美駐屯地には警備部隊230人、中距離地対空誘導ミサイル(中SAM)運用部隊60人など約350人。また瀬戸内分屯地には警備部隊130人、地対艦誘導ミサイル(SSM)運用部隊60人など約210人が常駐する。同警備隊トップは駐屯地司令(隊長)となる。

 開設を前に、防衛協力5団体は3月15日、同市名瀬大熊町内で部隊関係者の出迎え行事を実施。車両パレードなどもあるという。

 奄美駐屯地内で行われる記念セレモニーには、防衛省幹部や地元選出議員などの出席を予定し、関連イベントも検討されている。なお前日の30日は、瀬戸内町古仁屋市街地で市中パレードを行い、地域を挙げて歓迎する意向という。

 自衛官OBでつくる県隊友会名瀬支部の叶秀光支部長(71)は「長年の願いが実現し、大変うれしく思う。地元としても歓迎の意を表すことが大切」と述べ、自治会など関係機関との連携した協力に意欲を見せている。

 2地区の施設建設は2017年度後半から本格化し、駐屯地内の隊舎など主要施設の本体工事はほぼ完了。駐屯地外の宿舎整備も急ピッチで進められており、関連施設の建設は開設後も継続する見通しだ。

 隊員が家族と住む宿舎は、大熊地区関連では同市名瀬佐大熊町(24戸)、同大熊町(47戸)。節子地区関連では同町阿木名に5階建ての2棟(計65棟)の本体工事が終了。3月から入居が始まる。

 自治体側も児童生徒の受け入れ準備を進めており、クラス増となれば学習環境を整備する方針。行政当局によると入学・転校数は1月末現在、奄美市は高校生2人、中学生13人、小学生50人(朝日5、伊津部31、以外4、未定10)、未就学児童86人(2歳児未満49)。瀬戸内町は中学生ゼロ、小学生10人、未就学児10人―と見込んでいる。