身体のハンディを乗り越え、走り高跳びの模範実技を披露したカリファさん=2日、徳之島町
スポーツ交流に参加した徳之島の子どもたちと記念写真も
【徳之島】2020年東京五輪・パラリンピック「ホストタウン」登録を交わしたセントビンセント及びグレナデン諸島(カリブ海)と徳之島町の事前交流スポーツ教室が2日、同町健康の森総合運動公園・屋内練習場であった。パラリンピック走高跳に挑む同国の女子中学生カリファ・カーディン・ブルズさん(13)が、地元スポーツ少年らが実技を交え交流した。
ホストタウン登録調印式と併せ同国から来島しているのは、足に先天性障がいを抱える中学生パラリンピアンのカリファさんほか、中学教師パメシア・カスティシャ・オリビレ・プリンスさん(27)、同国パラリンピック委員会のルドルフ・トレバー・オーグスティン・ダニエル会長(67)の3人。スポーツ交流は、1日の調印式と音楽交流会に次ぐ自然交流の一環だ。
同町の亀徳、神之嶺両地区の野球やバレーボールスポーツ少年団員らを中心に約40人が参加。ルドルフ会長はあいさつでホストタウン交流の促進に期待。パメシアさんがカリブ海に浮かぶ同島国の産業など基礎データや日本との関係、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」撮影地を含む観光名所なども紹介した。
弱冠13歳で小柄(身長約130㌢)なカリファさんは、生まれつき両足の長さが違う個性を抱えながら、スポーツ少年団員たちをリードしてランニングやストレッチなどウオーミングアップ、走り高跳びの実技も披露。参加者全員が慣れない高跳びにチャレンジした。
質疑応答でカリファさんは「もっと高く跳びたい。走り高跳びと歌が大好き」。徳之島の印象は「美しい島。いろんな人と出会えてうれしい」。子どもたちは「負けず嫌いで、粘り強く挑戦できる子たちだと感じた」。東京パラリンピックに向けては、「走り高跳びか、走り幅跳びで出れるように100%頑張りたい」とほほ笑み、目を輝かせた。
自主参加の同町立尾母小5年生の杉光輝君(11)は「不自由な体でがんばっている姿がかっこいい。空手をしているが、ぼくも負けないようにがんばろうと思いました」と話していた。