早朝実施で防火意識高める

早朝実施で防火意識高める

想定された出火場所から消防水利が遠く、ホースをポンプ車で中継し、消火活動が行われた

春の予防運動一環 一般火災防御訓練
名瀬小俣町 一連の手順確認

 1日から始まった「春の全国火災予防運動」の一環で、大島地区消防組合(川畑洋一消防長)は3日朝、奄美市名瀬小俣町(柏原禎賢自治会長、605世帯、1130人)で、一般火災防御訓練を実施した。消防職員・団員と地域住民のほか、県LPガス協会奄美支部員も参加。初期消火、避難誘導などの一連の手順を確認し、火災予防への意識を高めた。

 訓練があったのは同市名瀬小俣町27番街区。道路幅が狭く、急な坂の上に木造住宅が密集。消防水利が遠いことなどから、消防活動困難地域に指定されている。

 この日は断続的に雨が降る天気だったにも関わらず、住民約20人を含め約120人が訓練に参加。一般住家から出火したことを想定し、住民が初期消火を実施。失敗し、避難を行った後、消防車両4台で消火活動にあたった。最も近い消火栓が出火場所から260㍍ほど離れており、ポンプ車で中継するなどし対応した。

 避難訓練後は、同市消防団女性小隊の隊員から消火器の使い方に関する講話もあった。川畑消防長は「検証の余地がある団体は検証し、今後に生かしてもらいたい。春先は空気が乾燥し、風も強い。火災が1件でも減るよう、さらに気を引き締めて予防に徹底警戒していく」と語った。

 柏原自治会長は「自然災害はどうにもならないが、火事は各家庭で防止できる。今後とも火災を出さないようによろしくお願いしたい」と住民に呼び掛けた。