ルリカケス民家軒下で子育て

ルリカケスが頻繁にひなに餌を与えて子育てしている軒下の様子

巣立つまで見守りたい
龍郷町

 国指定の天然記念物ルリカケスが繁殖期に入り、各地で子育て中の姿が見られる季節になった。龍郷町の西元テミ子さん宅では今年もルリカケスが営巣し、子育て中で巣立ち間近になっている。

 西元さん宅では、以前は庭の靴箱の上に巣作りしていたが、猫に襲われたりしたので軒下に板を設置。それからはルリカケスが毎年軒下に巣を作って、子育てするようになったという。

 西元さんによると1カ月ほどかけて巣を作り、2月下旬にひな4羽が誕生。子育て中は人間が近づくと、羽を広げ威嚇して時には嘴=くちばし=で攻撃してくることも。西元さんも洗濯物を干す時などに、手を突かれ傷を負った。

 西元さんは、「親鳥は15分に1回くらいの割合で、ひなに餌を運んで来る。攻撃されることもあるが、ひなを守りたい一心なのだろう。巣立ちまでは静かに見守りたい」と話した。

 『奄美の野鳥図鑑』(NPO法人奄美野鳥の会発行)によると、ルリカケスはスズメ目カラス科で奄美大島の固有種。奄美大島と加計呂麻島、請島に分布する鹿児島県の県鳥になっている。