将棋の羽生九段に大島紬贈呈

将棋の羽生九段に大島紬贈呈

三反園訓知事から大島紬を贈られ、笑顔の羽生善治九段、左は岩屋左智雄・本場大島紬織物協同組合参事

「伝統のすご味を感じる」
県と本場大島紬織物協組

 【東京】鹿児島県と本場大島紬織物協同組合は3日、千代田区有楽町のかごしま遊楽館3階の「鹿児島ブランドショップ東京店」で羽生善治九段への本場大島紬の贈呈式を行った。大島紬を贈られた羽生九段は、「これを着て、鹿児島で対局できるよう頑張りたい」と抱負を語っていた。

 伝統工芸品である「本場大島紬」を贈ることとなったのは、羽生九段の祖父が西之表市出身で鹿児島県に縁があることや、羽生九段の永世七冠達成、国民栄誉賞、紫綬褒章などに輝くなど数々の偉業に対して、その活躍に敬意を表するとともに、今後の活躍を祈念したもの。

 贈呈式は、スーツ姿で現れた羽生九段を三反園訓鹿児島県知事、岩屋左智雄・本場大島紬織物協同組合参事が迎える形で執り行われた。岩屋参事からは、着物が縁起のいい本亀甲という柄だということや「制作には半年間かかった」などの説明があった。

 また、三反園知事は、「着物と羽織は、鳩森八幡神社(将棋神社)で祈祷を受けた」と報告した上で、「鹿児島の伝統工芸品である大島紬を着て、タイトル通算100期を達成していただけたら。新たな羽生時代を祈念したい」とエールを送った。

 羽生九段は、羽織をまとうと「想像した以上に軽い。着心地もいいし温かい」と感想を述べて、「長い歳月をかけて築かれた伝統のすご味を感じた。この大島紬で対局できるよう、頑張らないといけない」。満面の笑顔にも、新たな対局を見据えるように、強い決意をうかがわせていた。