脱原発、被災者救済アピール

脱原発、被災者救済アピール

脱原発を訴えた「さよなら原発」奄美集会

 

市民団体が集会「フクシマを忘れない」
東日本震災8年

 

 死者・行方不明者が1万8千人を超えた東日本大震災は、11日で発生から8年を迎える。地震直後に発生した福島原発事故を受け、脱原発を訴える市民団体は10日、奄美市の名瀬市街地で「フクシマを忘れない さよなら原発3・10奄美地区集会」を開いた。参加者は被災者、被害者の支援と救済をあらためて呼び掛けた。

 奄美大島島内の24団体で構成する実行委員会の主催。この日は関係団体や一般など約50人が参加した。

 星村博文実行委員長は「復興の道のりはいまだ遠い。被災者支援のため、集会を通じた呼び掛けの継続が大切」とあいさつ。脱原発を掲げ、再生可能エネルギーの推進を重ねて強調した。

 集会ではリレートークがあり、宮城県亘理=わたり=町出身で、震災後に奄美大島に移住した渋谷陽子さん(40)=同市笠利町在住=は「平成の時代を終えるいま、子どもたちに何をつないでいくかの責任が問われている」。また住民2人が安全な暮らしの大切さを訴えた。

 集会は、原発ゼロを掲げた7項目のスローガンと、健康被害が拡大しているとして福島県内の現状に警鐘を鳴らす決議文を採択。参加者全員で、「原発いらない」「ふるさとを守ろう」―などと声を上げ、原発再稼働への反対姿勢を強くアピールした。

 資源エネルギー庁によると2月13日現在、国内原発の再稼動数は9基。新規制基準に対応(設置変更許可)し、建替えなど再稼動に向けた着手は6基。審査中は12基となっている。なお廃炉(決定、検討中含む)は24基。