宇検村名柄小中卒業式

在校生にお別れの言葉を述べる黒川優心君(後列・右)と滉心君(後列・左)

地域に見守られ新生活へ
東京からの山村留学の兄弟

 宇検村の名柄小中学校(大牟禮里美校長)は13日、同校体育館で卒業式を行った。小学校の卒業式も行われ、山村留学生の兄弟2人が新たな旅立ちを迎えた。式には来賓や、地域住民など大勢が出席し、学び舎を巣立つ子どもたちにエールが送られた。

 卒業生を前に大牟禮校長は、「卒業する2人は昨年4月に転入してきたが、保護者にも大きな決断だっただろう。今ではすっかり学校や地域になじんでいる。これからは全力で挑戦して失敗を恐れず、自分の目標に向かい、さらに大きな未来に挑戦してほしい」と激励した。

 中学卒業の黒川優心君(15)と小学卒業の滉心君(12)の兄弟は昨年4月、親子山村留学生として名柄に移住。1年足らずの留学生活だが、すっかり学校や地域に慣れているという。

 4月からは滉心君は名柄中に入学し、優心君は奄美市内の高校に進学予定。お別れの言葉で滉心君は在校生たちとの学校生活や行事での思い出を振り返り「みんなとの思い出はいつまでも忘れない」と話した。

 児童らで「仰げば尊し」を歌った後に、在校生から2人へメッセージ。優心君は答辞で「転入してきた頃は不安があったが、皆さんが気軽に話しかけてくれてうれしかった。東京では家にこもりがちだったが、名柄に来て外での活動が多くなり、とても充実した生活が過ごせた」「名柄校では最初で最後の運動会は、在校生や先生方、地域の人などの協力で成功でき最高の思い出になった。これから皆さん一人一人が、支え合い新しい名柄校を築いてください」。

 また母親には「進路で心配をかけた。感謝を胸に、高校で成長した姿を見せたい」と感謝。校歌を斉唱後に黒川君たちはそれぞれ担任教諭に引率され、地域住民などから拍手を受けて会場を後にした。

 母親の洋子さん(45)は、「転入直後は学校に行きやすいように配慮してもらいありがたかった。先生や地域の人には感謝しかない」と話した。