食起点の地域活性 奄美市で研修会

食起点の地域活性 奄美市で研修会

奄美市ガストロノミー研修会があり、食を起点に地域活性を考えた

地元民間旗振りで地域振興を
霧島ガストロノミー推進協活動報告

食を起点に地域経済の活性化について考える「奄美市“ガストロノミー”研修会(奄美名瀬ライオンズクラブ・ガストロノミー推進議員有志の会共催)が24日、同市名瀬のAⅰAiひろばであった。地元の食文化を生かすことなど『ガストロノミー』を理念に、産学組織が連携し設立された霧島ガストロノミー推進協会の関係者らを迎え、講演とトークセッションを展開。人口減少など地域が抱える課題に対する同協議会の取り組みにも触れ、民間が旗振り役となった活動の重要性を強調した。

第1部では同協議会副会長で、第一工業大学教授・博士(農学)の吉本博明氏が講演。ガストロノミーの定義を「健康的生活と食を通じた喜びを分かち合うための知識、体験、美術・工芸を統合した概念」などと説明した。

2017年、「霧島ガストロノミー推進協議会」を設立。商工会議所、観光協会、JA、高校・大学、市などから組織され、生産者や事業者からなる部会が下部に属している。

ご当地メニューの開発、ブランド認定制度による「霧島ブランド」の発信、また地場産食材とシェフなど料理関係者とのマッチングを展開。生産者や事業者との間に、「一般社団法人霧島商社」があり、地域商社の立場で発信・販売を担っている。

吉本さんは、同協議会の取り組みについて「食文化発信によるインバウンドの呼び込みは世界的な潮流。地域の食をブランディングする組織、売る組織を想定して我々は活動を始めた」「人口減少の予測を見れば時間はない。若い人を育てなければいけない。スピード感を持ってやる必要がある」などと呼びかけた。

第2部・トークセッションでは、吉本さんのほか、一般社団法人「霧島商社」大山隆弘理事長、霧島市霧島PR課の今吉直樹さん、NPO法人「奄美食育食文化プロジェクト」久留ひろみ代表理事の4氏が登壇した。

霧島市が新設した霧島PR課について、今吉さんは「若者たちと活動について語り、盛り上がってきた」「組織体制も強固になり、自由に動いてきた」などと紹介。各団体と連携した活動でのポイントとして、吉本さんは商品のネーミングコンテストなどを例に「内輪にしないこと。発信してもらえるよう、売れるよう市民を巻き込んだ仕掛けづくりが必要」などと助言した。

大山さんは自身が行っている活動も踏まえ、地元の食ブランドを発信するポイントとして、民間主導の活動を強調。「地域の人が売り込むこと、『知っている』という地元の人の目線が強み。(地元の民間)が地域振興の旗振り役になっていかなくてはいけない」などと訴えた。