一般進入(車両・徒歩)規制へゲートを再整備した林道「山クビリ線」入口=27日、徳之島町山(さん)側
【徳之島】徳之島町は、林道「山クビリ線」(同町山―花徳間約12㌔)の利用適正化に向け一般の通行規制、認定ガイド同行などルールの試行を4月1日から始める。27日までに両サイドと支線入口の計3カ所へのゲートを再整備して看板も設置。7月1日の本格実施(施錠開始)に向け、一般住民などの意見・要望も聴きながら改善点も協議する。
世界自然遺産登録による観光客増などを見据え、自然環境の保全を図り、質の高い自然体験ができることを目指す徳之島利用適正化連絡会議(国・県・各町・関係団体などで構成)で協議。山クビリ線の利用ルールやロードマップなどに合意ずみ。
同町は既設のイノシシ侵入防止用ゲート(無施錠)を撤去し、18年度「アマミノクロウサギふるさと納税」(GCF)財源を活用して高さ約130㌢、幅約4・8㍍のゲートを再整備。併せて、①野生生物の観察は認定エコツアーガイドが実施するツアー(有料)を予約・参加②研究や教育目的は徳之島町農林水産課で事前の申請手続きが必要(7月1日以降)などを明記の看板もそれぞれ添えた。
ほか、利用ルールには▽申請不要の利用者=土地所有や森林施業、農作業での通行、行政の自然環境保全、公共施設の維持管理など▽申請許可で利用可=ガイドツアー(認定ガイド利用ルール適用)や研究者(一定基準を設定)、学校など▽利用を認めない=撮影目的の通行(ガイドツアーに参加)、国立公園・特別保護地区絡みの狩猟・山菜採り・ハブ捕りなど。
環境省徳之島自然保護官事務所の沢登良馬自然保護官(28)は「観光客の増加が予想されるほか、クロウサギのロードキル(交通事故死)がここでも発生している。利用については、この先いろんな課題が出ると思うが(利用適正化連絡会議)事務局で柔軟に考えてブラッシュアップしていきたい」とした。
同林道利用に関する問い合わせ先は同町役場農林水産課(電話0997―82―1111)。