19県議選  大島郡区、選挙戦突入

奄美でも県議選がスタートした(出陣式)

奄美市区は8年ぶり無投票
県全体で68人立候補

任期満了に伴う県議会議員選挙は29日告示された。立候補の届け出は各選挙区の選挙長事務所で受け付けられ、午後5時で締め切った結果、全21選挙区(定数51)に計68人が立候補、前回の77人を9人も下回った。奄美群島の2選挙区には、奄美市区(同2)が2人、大島郡区(同同)3人が立候補。市区は8年ぶりに無投票、大島郡区は選挙戦に突入した。投開票は4月7日。大島郡区は選挙への関心の高まりも焦点となりそうだ。

県全体の立候補者の内訳は、現職45人、元職1人、新人22人。党派別は自民38人、立憲民主2人、国民民主1人、公明3人、共産3人、日本維新の会1人、社民2人、無所属18人。改選前の党派別勢力(欠員1人)は自民37人、公明3人、社民2人、共産1人、無所属7人。

立候補者数は戦後最少だった前回を大きく下回り、9選挙区が無投票となった。全員当選を目指す最大会派で定数の3分の2以上の議席を占める自民が引き続き勢力を維持するか、公明、共産、社民が議席を守るか、県議選初陣となる立民が議席を確保するか、旧民主時代の議席を国民が奪還できるか注目されそう。また、維新は初の議席獲得に挑む。前回投票率は過去最低を更新し50%台を割り込んだ48・78%。立候補者の減少、無投票選挙区の増加で県議選への関心の低下が懸念されている。

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【奄美市区】立候補したのは、いずれも自民現職の永井章義氏(62)、向井俊夫氏(69)=届け出順=。現職1人、新人3人の計4人による争いとなった前回から一転し現職のみの立候補と無風となり、無投票で永井氏が5期目、向井氏が2期目の当選を飾った。

公約では、永井氏が「結の島奄美 次代へ継ぐ責任」として▽奄振交付金の特性を活用し、民間活力との連携強化による相乗効果で地域課題の解消▽更なる環境保全に努め、連携強化で奄美・沖縄の世界自然遺産登録実現を応援、向井氏が「もっと身近な県政を」として▽奄美・沖縄世界自然遺産登録の確実な実現と、登録による交流人口拡大▽子育て支援、高齢者の職場参加(復帰)による雇用の場確保と人手不足解消―などを掲げている。

【大島郡区】立候補したのは、自民新人で農業の寿肇氏(45)、自民現職で4期目を目指す禧久伸一郎氏(62)、無所属新人で元天城町長の寿洋一郎氏(74人)=届け出順=。禧久氏と寿肇氏は公明が推薦している。

3陣営は奄美市名瀬にある県大島支庁で立候補届け出後、選挙区に移動。いずれも徳之島からの立候補だが、奄美大島内での選挙活動で第一声をあげたり、選挙のいわゆる「七つ道具」の到着を待って徳之島での出陣式を行う陣営がみられた。

喜界から与論まで島伝いの有人8島10町村にまたがり選挙区が広い大島郡区。有力団体や後援会の支援を受け、票の上積みを図っている陣営もおり、現職が引き続き議席を守るか、前回に続き2度目の挑戦の新人が議席を確保するか、県議選初挑戦の新人が自民の議席に割り込むことができるか焦点となりそう。

公約では、寿肇氏が「農業の活性化と6次産業化で若者の雇用を創出し、群島民の所得拡大」、禧久氏が「観光客の受け入れ態勢整備や関連産業育成を強化、より豊かな未来へ」、寿洋一郎氏が「農林業を中心とした産業の振興、商店街の活性化・雇用対策」などを掲げている。

なお、大島郡区では瀬戸内町の請島、与路島で1日繰上投票(4月6日)が行われる。