改正奄振法が成立

改正奄振法が成立

参院本会議で全会一致で可決された改正奄振法

参院本会議で可決
交付金の拡充など5年延長

奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案が29日、参議院で可決、成立した。いずれも今年度末で期限切れを迎えることから、法の有効期限を2024年3月末まで5年間延長するもの。今後、交流促進や産業振興などに向け奄美群島振興交付金の充実強化を図るなど、同法を基にした地域振興策が進められることに、地元関係者からは喜びの声があがった。

同日の参議院本会議で、羽田雄一郎国土交通委員長が法案の内容や審議経過を報告後、採決され、全会一致で可決した。

同法の成立を受け、県選出衆院議員の金子万寿夫氏(自民党)は「群島民の熱い思いで法延長が実現できたことは、大変喜ばしい。奄美群島振興交付金の拡大など予算面でも、地元の意向が反映されてよかった。今後、奄美の発展に法律をどう生かせるか、リーダーシップを発揮しながら、群島民の声を国政に届けていく」と話した。

三反園訓知事は「奄美群島振興開発審議会の各委員、県選出国会議員、県議会議員、関係省庁の皆さまの支援、協力に心から感謝する。今後は、県が新たな計画を策定し、各種施策を展開していく。物資の輸送費支援事業や航路・航空路運賃軽減事業などの施策を実施し、交流人口の拡大、産業振興、定住促進を進め、奄美群島の自立発展を積極的に図っていく」とコメント。

奄美群島広域事務組合管理者の朝山毅・奄美市長は「法改正と合わせ新年度の関連予算も地元の実情や声を着実に受け止めてもらった。世界自然遺産登録への再挑戦などを控え、さらに飛躍する千載一遇の機会。『奄美群島成長戦略ビジョン』の実現に全力で取り組んでいく」と力を込めた。

また大島郡町村会長の伊集院幼・大和村長は「群島一体となって奄美の振興に取り組み、新たな法律や予算制度の活用により、しっかりと成果を出すことで、期待に応えていきたい」と決意を新たにした。

奄美大島商工会議所の谷芳成会頭は「法延長に尽力された国会議員や県知事、地元首長など関係者に感謝したい。世界自然遺産登録に向けた準備も進む中、奄美の経済発展には欠かせない法案で、成立に安堵し、喜びを感じている。経済界としても、農業や観光分野をはじめとする産業振興など持続可能な経済発展に結び付けられるよう新たな取り組みを進めていきたい」と話した。