シーズンを迎え、田植えに精を出す荒田さん
「おいしい米届けたい」
秋名・幾里集落
龍郷町の秋名・幾里集落で田植えのシーズンを迎えている。今年一番乗りで田植えを開始した農家・荒田義男さん(80)の水田でも3日、静かな山あいに田植え機のエンジン音を響かせた。荒田さんは「この地域はいい水に恵まれ、おいしい米が育つ。今年も多くの人に届けられるように頑張りたい」と笑顔で話した。
荒田さんは、同集落で農業を始めて約30年。約4・5㌃・大小合わせて数カ所の水田に畑も所有し、田植えは他の農家に先駆けて3月26日から始めている。
荒田さんの栽培方法は、化学肥料を一切使わない無農薬農法。害虫には、木酢などを混ぜたオリジナルの薬剤を使うなど、徹底して環境に配慮している。
栽培には、低アミロース品種「ミルキークイーン」や古代米「黒米」などを手掛け、もっちりとした歯ごたえで冷めてもおいしいなど好評。島内スーパーや販売店の評判も上々で、引く手あまただという。
この日は、15㌢程度に育った黒米の苗を田植え機で植え付け。6月末ごろまで、水温管理や害虫対策など、気の抜けない時期が続くという。
収穫後は虫対策として天日干しを行うなど、こだわりの米に荒田さんは「味も含めてとても評判がいい」と笑顔。「今年もずっしりと実をつけ、稲穂が垂れるよう元気に育ってほしい」と話した。
秋幾農作業受託組合長で秋幾農業創成塾・龍宮省三塾長によると、同地域の田植えは4月下旬ごろまで続き、早ければ7月上旬ごろから収穫の時期を迎えるという。