奄美大島ホエールウォッチング

奄美大島ホエールウォッチング

奄美大島周辺海域では今シーズン、ザトウクジラの親子の出現が多く見られた(興克樹さん提供)

 

出現頭数720頭と最多
ホエールスイム参加者、初めて過半数に

 

 奄美海洋生物研究会(興克樹会長)と奄美クジラ・イルカ協会(同)はこのほど、2019年シーズンのザトウクジラの奄美大島周辺海域への出現頭数が720頭(1日現在)で過去最多を更新したと報告。ホエールウォッチング参加者数(3月末現在)も2936人と最多だった。参加者の内訳でホエールスイム参加者が初めて過半数になり、興会長は「人気の高さをうかがえる結果」と位置付けている。

 ザトウクジラは、夏季(7~9月)にカムチャッカ半島沖で餌を摂取し、冬季(12~3月)に沖縄・小笠原方面で繁殖・子育てする大型のほ乳類。近年奄美大島周辺海域で冬季に繁殖のため来遊する個体が増えていることから、同協会が質の良いホエールウォッチング実施などの目的で活動している。

 同研究会などは環境省の2018年度「奄美群島国立公園奄美大島周辺海域における鯨類調査等業務」の一環で、陸上5カ所(奄美市笠利町土浜展望所・同町あやまる岬・同町用安海岸・同市名瀬大熊展望広場・同名瀬大浜海浜公園見はらし広場)の目視調査から詳細な出現記録や個体識別に取り組み調査データの蓄積を実施。今シーズンの初出現は昨年12月1日に、土浜展望所で確認。今月1日までに441群720頭が出現した。

 同協会加盟のホエールウォッチング事業者(6社)の合計利用者数も過去最多2936人で前シーズンの約1・3倍に。海に入り泳ぎながらザトウクジラを観察するホエールスイム参加者が1475人(50・2%)と初めて過半数になったという。

 今シーズンの特徴について興会長は「親子クジラの出現が多く、441群中50群で11・3%を占めた」と話した。