県議選大島郡区

寿肇候補

 

禧久伸一郎候補

 


寿洋一郎候補

 

地盤徳之島で「最後のお願い」
7日投開票 3候補、追い込みに奔走

 

 3月29日に告示された県議会議員選挙は、一部を除いて7日投票、即日開票される。奄美の選挙区で選挙戦に突入した大島郡区(定数2)では運動最終日の6日、3候補が地盤の徳之島島内で「最後のお願い」に奔走。「あと一押しを」「必ず力を尽くします」―などと連呼。声をからし、午後8時のギリギリまで街頭や沿道の住民らに支持を訴えた。奄美群島全域にまたがる広いエリアで各陣営が支持層の引き締め、票の掘り起こしにしのぎを削った9日間の戦いは終わり、7日の夜、審判が下る。

 奄美の選挙区では、奄美市区(龍郷町含む、定数2)は現職2人が立候補。前々回以来、8年ぶりとなる無投票での当選を果たした。

 一方、大島郡区は2年前、現職1人が国政出馬に伴い、任期途中で辞職したため現在欠員1。自民新人の寿肇=はじめ=氏(45)、自民現職の禧久伸一郎氏(62)=3期=、無所属新人の寿洋一郎氏(74)が立候補=届け出順=した。

 3候補者の拠点は徳之島3町に分かれており、選挙戦終盤は各陣営とも同島入りして地縁、血縁など票固めを中心に、精力的に活動を展開。運動時間の終了まで支持の取り込み、拡大を図った。
 

寿 肇=はじめ=候補
農業政策、浸透を実感

 寿候補は伊仙町の選挙事務所から遊説をスタート。徳之島町の人口密集地、亀津・亀徳の両地区では街頭演説も。選挙カーから降り、支持者らとともに駆け回りながら道行く人々と握手を交わすなど、支持層の拡大に精を出した。

 街頭演説では、「若者がこの地で生活をしながら子育てし、教育にもしっかりとお金をかけられるように頑張る」、「町の豊かさは農家の収入で変わる。安定の生活に導くためにシステム・政策を打ち出していく」などと力説。「県政は農政にあり」のスローガンを前面に押し出し、支持を呼び掛けた。

 選挙戦を振り返り、「支持者らの準備のおかげで各島をスケジュール通りに回れた。農業政策の充実について焦点を絞った政策は浸透し、前回に比べ支持はかなり広がっているとの実感はある」。自身の選挙スタイルについては、「時間を割いて沿道に出てきてくれた人々の思いに応えるために、できるだけ車から降りて握手した」と語った。

 選対本部長の琉子修さんは「若さと行動力はずば抜けている」と寿肇候補を評価。選挙戦について「前回選からの4年間、ドブ板で訴え続けた農業政策は確実に伝わっている」と手応えを語った。

 

禧久伸一郎候補
4期目続投に意欲示す

 最終日は、午前8時から天城町内を皮切りに伊仙町、徳之島町の徳之島島内一円を遊説した禧久候補。住民一人一人に手を振り、握手を交わしながら支持を呼び掛けた。

 「支援体制が整っている中で選挙運動を行うことが出来た。最後まで気を抜かず取り組んでいきたい」

 選挙期間中は現職3期12年の実績を掲げ、10町村の広い選挙区で支援・協力団体を中心に票固めを行いながら、さらに票の上積みにつとめた。街頭演説では奄振法の延長・拡充による産業推進、第一次産業の振興、観光交流人口の増加による経済波及を見据え、格安航空会社(LCC)路線の誘致実現などを訴えた。

 禧久候補は締めくくりの遊説で「奄振延長となり、また世界自然遺産登録を目前に控え、奄美はこれから節目の年を迎える。もう一度、県政のステージに立たせていただきたい」と続投へ意欲を示した。

 鮫島文秀・選対本部長は「選挙は投票箱を開けるまで分からない。緊張感を持って、最後まで全力を尽くすだけ」とした上で、「現職はこれまでも地盤を中心に、住民目線で政策を訴え続けてきた。引き続き奄美のためにひと汗かくため、次期に向けた支持を呼び掛けたい」と語った。

 

寿 洋一郎候補
「即戦力」終盤に手応え

 最終日は午前8時すぎ徳之島町母間地区から遊説をスタート。同島の大票田・同町亀津、亀徳両市街地も綿密に巡り、トライアスロンなどで鍛えた脚力で有権者に駆け寄って支持を求めるなど、伊仙町~天城町内の順に遊説。街頭演説でも精力的に訴えた。

 寿洋一郎候補は、人口減や産業の低迷に伴う島社会の活力減退など現状を憂い「島はこのままでいいのか」と約2カ月前に立候補を表明。自民公認・公明推薦の両陣営相手に対し、「即戦力」による農林水産業の振興をはじめ商店街の活性化、障がい者・高齢者対策、各島へのLCC路線開設などを公約に掲げ訴えた。

 選挙戦最終日の手応えに寿洋一郎候補は「高齢者層や女性を中心に想像以上に手応えがいい。『立候補をしてくれてありがとう』との声も。与論や沖永良部のマラソンやトライアスロン出場などの付き合いも意外な結果を生んでいる。当初は出遅れ感が否めなかったが、後半は想像以上の期待が生まれた」。

 選対本部長の勇田勇さん(67)も「選挙戦終盤は(遊説への)人出も一気に増え、手応えは十分だ。町長時代(天城町長3期12年)に培った町村長会OBやトライアスロン、マラソン大会などを通じた人脈が生きてきている」と話した。