36人が新生活のスタートを切った古仁屋高校入学式。誇らしげな顔の生徒たちに入学許可が言い渡された
県内のほとんどの公立高校で9日、入学式があった。新たな生活への期待に胸を膨らませ、学び舎の門をくぐった。瀬戸内町の古仁屋高校(重吉和久校長・全校生徒98人)には島外からの“留学生”8人を含む36人が入学。祝福を受けながら新生活のスタートを切った。
式では一人ひとりの名前が読み上げられた後、重吉校長が入学許可を宣言。新入生を代表し、濱田玲織さんが「学業に励むとともに、校則に従い生徒としての本分を守ることを誓います」と宣誓した。
重吉校長は「5月1日からは令和元年が始まる。時代の節目につながるようなスタートを切ってください。高校入学の節目に古い殻を脱ぎ捨て、古仁屋高校での3年間で無限の可能性に挑戦してほしい」と式辞を述べた。各来賓のあいさつ、校歌の紹介なども行われ、式は終了した。
同校と町は昨年度、東京・大阪での合同学校説明会に参加するなど、入学生確保に奔走してきた。対策が功を奏し、今年度は8人(男子6人、女子2人)が島外から入学。男子は町が整備した“紫雲寮”に入寮。女子は下宿し同校に通う。
鎌田愛人町長は「留学生と地元の子どもたちが一緒になり、古仁屋高校、町の活性化にもつながっていけば」と期待。町は今年度も合同学校説明への職員派遣を予定している。来年度の受け入れ態勢拡充のため、女子寮の整備も検討するという。
重吉校長は「狭い地域の中で育ってきた子どもたちだけでなく、他のところからの子どもたちが加わることで、刺激になる。プラスの方向で積極性などが出てきてくれれば。今後、地域と島外からの生徒たちが接点を持ってくれれば」。3年生の田原葉亮さん(17)は「島外からの新入生を心から楽しみにしていた。行事などに一緒に参加し、瀬戸内町を盛り上げていくことができれば」と、それぞれ語った。