油付着のドラム缶漂着

瀬戸内町蘇刈の海岸に漂着した油とみられるものが付着したドラム缶(9日午前11時ごろ)

瀬戸内町蘇刈の南西側海岸
岩、海藻にも 多機関連携で除去作業

 瀬戸内町蘇刈南西側の海岸で7日、油と見られる液体が付着したドラム缶が漂着しているのを同町住民が発見した。同町、県大島支庁瀬戸内事務所、古仁屋海上保安署は10日、集落住民と連携し、除去。町水産振興課は「吸着マットなどを使用。油のついたサンゴ石などを捨て、9割以上の油が除去できた。残った分も時間がたてば揮発し、なくなるだろう」とした。

 同保安署によると、ドラム缶にはサビが付着し、傷んだ状態で持ち主を示すような記載などは見受けられなかった。中に入っていたのは重油の廃油かビルジ(船底にたまった海水・水あか)と見られるという。

 サンガツサンチ(旧暦3月3日)にあたる7日、同集落で潮干狩りをしていた同町古仁屋の女性が漂着しているドラム缶を発見。一報を聞きつけた國宗弓穂区長はその日のうちに古仁屋海上保安署に連絡した。8日には同保安署と町水産振興課職員が現場を確認。ドラム缶が海につかり、油が流れ出ないように移動させた。

 同課によると、10日、3機関と集落住民計約40人で作業を実施。ドラム缶を搬出し、油が付着した石などを除去。打ち上げられた海藻などについた油も取り除いた。ドラム缶がどこから流れ着いたものかは不明だが、調査の予定などはないという。

 同集落では5月12日に浜下れ行事が予定されており、國宗区長は影響を不安視していたが、「作業により、大半が除去され、モズク・テラダ(マガキガイ)への付着による健康被害への不安は軽減した。役場の迅速な対応に感謝したい」と語った。