複式学習指導の参考になるＤＶＤを作成した大島教育事務所指導課の西原課長（左）と新田賢一指導主事
授業映像で指導法参考に
市町村教委に配布 大島教育事務所
県大島教育事務所はこのほど、奄美に赴任して初めて複式学級の指導に関わる小学校教諭に向け、ＤＶＤ「複式学習指導の進め方―よりよい授業を目指して―」（約11分）を作成した。先月末までに管内の12市町村の教育委員会に配布。ＤＶＤは各市町村が行う転入教職員宣誓式で、視聴してもらうなど活用が期待されている。
県教委によると、複数学年の児童で編制される学級（複式学級）が一つでもある小学校の割合は県全体で44・１％。奄美では小学校84校中、54校（約64・３％）に複式学級があるという（喜界町、与論町は除く）。
同事務所は、初めて奄美に赴任する教職員に複式学級指導に慣れてもらう目的でＤＶＤを作成。20枚を作成して先月末までに、管内12市町村の教育委員会に配布した。
複式学習指導の類例として▽同単元指導＝同じ内容を２学年同時に行う指導▽学年別指導＝違う内容を学年別に行う指導―などを例示。また実際に複式学習指導が確認できる、奄美市立宇宿小学校での授業映像も収録されている。
ＤＶＤでは授業映像から複式学習指導で有効とされる、「ずらし」や「わたり」を用いた指導法を参考にできる内容。活用についても宣誓式などで視聴してもらうほか、各学校での校内研修会の利用を想定している。
将来的にはデータとしての提供も視野に入れていて、同事務所のホームページ上でも公開を予定。同事務所指導課の西原晃課長は「教職員がこのＤＶＤを参考にして、複式学習指導に前向きに取り組んでもらえれば」と語った。