台湾クルーズで延べ2・4万人が名瀬港に来島した(2018年7月27日撮影)
新年度に入り、奄美群島各島へのクルーズ船寄港予定が明らかになってきた。奄美市紬観光課が公表した名瀬港への2019年度寄港計画を見ると、延べ寄港数は26回、乗船客数は2万人超を試算し、それぞれ過去最多とみられている。これまで最多だった18年度実績(18回、延べ2・1万人)を上回る要因は、昨年度に続く台湾からのクルーズツアーが大きい。世界自然遺産登録を見据えたクルーズ船の寄港増を踏まえ、同市は国内外から訪れる観光客の受け入れ準備を急ぐ。
同港の寄港計画によると、船舶別寄港数は、サン・プリンセス(7万7千㌧、旅客数2千人)、ぱしふぃっくびいなす(2万6594㌧、620人)の各8回が最多。以下、にっぽん丸(2万2472㌧、524人)が5回、飛鳥Ⅱ(5万㌧、872人)が1回など。主に国内外のツアー、修学旅行での寄港が予定されている。
名瀬港では過去4年間(14~17年度)の延べ寄港数、乗客数は7~13回、5千~1万人だったのに対し、昨年度実績では過去最多を達成した。外国クルーズ寄港数は10回に上り、そのうち奄美・沖縄と台湾間ツアーでの寄港は計8回。乗船客数は延べ1・7万人、船員を合わせると約2・4万人が訪れ、経済効果は約4億6400万円と市側は試算。このツアーは今年度も計画(8回)している。
同港の19年度寄港予定数は26回と前年度当初比で1回増となっており、訪客数も2万人以上を見込む。同課はインバウンド(訪日外国人観光客)対応と並行した「受け入れ態勢」を進めていく方針だ。
なお昨年度と同様、▽通訳担当者の配置▽案内板設置▽停泊する観光バースと市街地へのシャトルバス―の実施を予定。同課は「関係機関と連携した『おもてなし』を図り、リピーター増にもつなげたい」と意気込む。
奄美群島の寄港予定は4月10日現在、 瀬戸内町は古仁屋港に1回で、「にっぽん丸」(4月23日)が寄港、以降は未定。徳之島では平土野港に4回寄港。各港では出入港時のセレモニーや物産ブースなどを設置する。
なお沖永良部島(和泊港、伊延港)、喜界島(湾港)の予定はない。