タンカン販売実績 過去最低6万7665㌔

奄美大島選果場が稼働してから過去最低のタンカンの販売実績となった(資料写真)

計画量の確保や商品管理などについて意見を交わした

連係目指し市場関係者と意見交換へ
JAあまみ大島事業本部

 JAあまみ大島事業本部生産部会連絡協議会果樹専門部会(大海昌平部会長)は15日、奄美市名瀬の農業研究センターなどで2018年度産奄美タンカン出荷販売反省会を開いた。同年度産の出荷(共販)量は6万7665㌔(計画比29%減)と選果場が稼働してから過去最低で、このうち規格外品は9787・2㌔だった。昨年の台風の影響で生産量が減少しタンカンが高騰した地元市場に流れたことなどから、何らかのルールづくりを求める意見などが出された。同部会は部会役員や行政、市場関係者を交えた意見交換会を近日中に開く方針を示した。

 同反省会は16年度から、島内5会場で開催。この日の龍郷町会場と奄美市名瀬からスタートし、16日が宇検村と瀬戸内町、17日大和村が予定されている。

 JAは昨年10月と同12月に実施した果樹部会員の申込みで共販計画を9万4970㌔と定め、今年2月3日から選果場の受け入れを開始して販売を開始していた。

 18年度の支所別出荷実績は、▽名瀬1万7092㌔(出荷計画比35%減)▽笠利653㌔(同58・4%減)▽住用1万1347㌔(同33・1%減)▽龍郷1万1944㌔(同70・6%増)▽大和7510㌔(同48・6%減)▽宇検1万638㌔(同46・7%減)▽瀬戸内8481㌔(同1・4%減)で、龍郷以外の支所は出荷計画を達成できなかった。

 出荷実績が計画を下回ったことについてJAは「当初の予想より台風の影響が強く全体的に生産量が低下し、共販量が確保できず宅配や業者向けの出荷を見送らざるを得ない状況となった。過去に取引のあったバイヤーからは、(体制が)『昔と変わっていない』などの苦情があった」と説明した。

 参加者から「昔から計画通りに出荷できない問題はあった。JA共販のメリットを考えないといけないのでないか」や「ルールをしっかり作らなければ、こうした状況は変わらないだろう。選果場は厳しいルールを作って運営しなければならないのでないか」などの意見が出された。

 同部会の平井孝宜さん(37)=奄美市果樹部会長=は「他の要因もあるかも知れないが、JAや農家、市場関係者など連携が取れていなかった。市場には部会員でなく、片手間でタンカン栽培する人も出品しているようだ。どこかで制限しなければ産地は成り立たない。産地として技術などレベルが上がれば、うまく回り問題も解決されるのでないか」「市場関係者などとの話し合いで、思っていることを言い合い連携図り産地化に取り組んで行きたい」などと語った。

 過去5年間の奄美大島選果場を利用したタンカンの出荷実績は、▽14年度=7万484㌔▽15年度=ミカンコミバエ問題で取扱いなし▽16年度=19万2076㌔▽17年度=8万8382㌔▽18年度=6万7665㌔。

 18年度の販売反省や19年度の取り組みの協議事項で、JAは品質低下防止について、「今年も家庭選別の不足しているものが見られた。樹上完熟を基本とした収穫や、腐敗果・病害果が混入しないよう家庭選別を徹底してもらいたい」などと報告。一方で18年度産の収穫後の予措は、9割の生産者がしっかりできていたとした。