民間の創意工夫支援

事業概要や募集内容について奄美群島広域事務組合担当者が解説し、個別相談も実施した

チャレンジ支援事業 500万円上限の事業メニューも
広域が説明会

 奄美群島広域事務組合は22日、奄美市名瀬の奄美文化センター会議室で2019年度奄美群島民間チャレンジ支援事業説明会を開いた。参加者に事業の概要や応募方法などの解説があり、事務局職員たちによる個別相談も実施された。過去5年間の同事業の支援実績は7872万円超。奄振交付金を活用した同事業で、民間の創意工夫に今年度も支援を継続する。

 事務局担当によると奄美群島12市町村は、13年2月に「奄美群島成長戦略ビジョン」を策定。同ビジョンでは▽民間企業等=奄美群島自立的発展実現の主体的役割の担い手▽行政=民間企業を支え積極的に支援するという位置づけを明確化。これまでの行政主導の産業振興モデルから、民間主導・行政参加の産業振興モデルへの転換を目指し、奄美群島の産金学官(産業・金融・学術機関・行政)が連携して産業振興に取り組むことも明記されている。

 同事業はこうした同ビジョンの趣旨に基づき、奄美群島内で新サービスや新商品の開発を促進し、地域内のイノベーション創出に向け民間企業などのチャレンジを支援する目的で14年度に開始。年度別の採択件数と支援額は▽初年度=11件、1532万2千円▽15年度=11件、2千万円▽16年度=9件、1493万円▽17年度=9件、1427万5千円▽18年度=12件、1419万6千円で、5年間で52件7872万5千円だった。

 同事業では奄美群島の個人・団体・企業等が提案方式で、自身のアイデアや現有資源を用いて起業や事業拡大、新商品開発等を行うことに補助金を交付して支援するもの。事業費に奄振交付金があてられ、残りを12市町村で分担する。

 対象となる事業は、主にビジョンで重点とされた3分野(農業、観光・交流、情報通信)に関するもの。その他に未利用未活用資源を生かした新産業の創出や、新たな雇用機会を創出できる新サービスづくりなども該当するという。

 応募条件として、奄美群島に居住している個人・団体・企業が対象。企業支援や事業拡大に6事業メニューを展開し、各メニューには、50万円・100万円・500万円の支援上限が設定されている。

 同事業の助成希望者は、事業計画書など応募書類を作成して募集期限の5月24日までに奄美群島広域事務組合に提出する。

 審査は書類審査を基本とし、外部有識者や独立行政法人奄美群島振興開発基金等による審査会が提案内容を順位付け。得点の上位から予算の許す範囲で助成されるという。

 説明の後に質疑や、個別相談などを実施。出席者から「島ごとに事業採択の枠があるのか」や「事業費の中に消費増税分は、含まれるのか」などの質問があった。

 説明会は23日徳之島でもあり、沖永良部島(24日)、与論島(25日)、喜界島(26日)でも実施される。