「頑張ればできる」5冠目指し始動

4冠の合格証を前に笑顔の小野さん

県内定時制高校初 全商検定4冠の小野さん(奄高4年)

 前年度、県内定時制高校生で初めてとなる全国商業高校協会(全商)検定の〝4冠〟に輝いた奄美高校定時制4年の小野聖矢さん(18)が、今年度も新たな種目の取得に向けて始動した。県内初の快挙を達成した小野さんは「放課後や休み時間も親身に支えてくれた先生のお陰。今年も5冠・6冠と一つでも上を目指して頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

 小野さんは、週3回運送会社で働きながら同校に通う生徒。一年次に教師の後押しもあり「資格取得を目指そう」と決意し、問題集などに取り組み始めた。

 珠算電卓実務を皮切りに、簿記実務などを取った頃、「将来、商業系の知識や技能が役立つ仕事に就きたい」と思うようになり意欲はさらに加速。苦手分野にも真剣に向き合うようになった。

 小野さんは、授業と仕事、部活も重なる厳しい日程をこなしながら、検定前には教師の手ほどきを受けるなど対策。コツコツと苦手分野を克服しながら、ビジネス文書実務、情報処理でも合格を果たし、3年次で見事4冠を成し遂げた。

 「途中からは、高校生活で自分が頑張った証を一つでも多く残したいと思うようになった」と小野さん。青﨑哲也教諭は「打てば響くとはこの事。今までにない、新しい定時制の形を体現した」と称え、「定時制の新たな学び方に先鞭=せんべん=がついた」と喜んだ。

 今後について小野さんは、「働きながら、目指せるなら短大にも行きたい」と受験を意識しながらも、プログラミングやマーケティング分野を現在勉強中。「(後輩に対して)時間がなくても頑張ればできることを証明したい。続いてほしい」と5冠目・6冠目にも敢えて挑む覚悟だ。

 なお全商検定は、主に高校生を対象に、商業に関する専門知識や技能を問う検定。全9種目あり、1冠取得には4~1級のうち最上級の1級の合格が必要になる。