令和に奄美大島初寄港

オプショナルツアーに参加する乗客に黒糖付きのレイ(首飾り)が手渡された

「ぱしふぃっくびいなす」
クルーズ客、自然に親しむ

 日本クルーズ客船㈱の「ぱしふぃっくびいなす」(松井克哉船長、2万6594㌧)が4日、奄美市の名瀬港観光船バースに寄港した。令和初寄港となる同船の乗客たちは、歓迎セレモニーを受けた後、マングローブのカヌー体験や金作原ハイキングなど自然に親しむツアーに繰り出した。

 同船(全長183・4㍍、幅25㍍、乗客定員620人、乗組員204人)の名瀬港寄港は、2019年度で8回予定されていて先月に続いて2回目。令和初の「GW世界遺産 屋久島・奄美大島・種子島クルーズ」に、乗客約430人が参加した。

 今回のクルーズは連休を利用し、豊かな自然が魅力の2島と歴史と科学の島を巡るスケジュール。1日に横浜港を出港し、2日神戸港に寄港後、3日屋久島、4日奄美大島、5日種子島と回り、6日神戸に帰港する。屋久島、奄美大島、種子島などでは、自然や文化を体験するオプショナルツアーも実施される。

 名瀬港に入港した同船の乗客らは下船して、岸壁に用意された臨時の観光案内所や物産販売ブースに足を運び観光パンフレットを入手したり、お土産品などを購入していた。

 市職員や観光関係者らが午前8時15分ごろ、同船の乗客などの歓迎セレモニーを行った。あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長が「奄美大島は温暖多雨な亜熱帯性気候の島。『洋上の森』とも称される。奄美大島の豊かな自然や伝統文化を体験し、住民の心にふれて思い出深い旅をしてほしい」とあいさつした。

 セレモニーでは、花束贈呈や記念品の交換なども。松井船長は「新元号『令和』に来ることができてうれしい。これから世界自然遺産に認められ世界中から多くのクルーズ船がくるかもしれないが、みなさんとの縁を大切にしたい」と述べた。

 乗客たちは、目的別に大型バス6台などに分乗。また認定ガイドの車両で金作原に向かう乗客や、レンタカーでお目当ての場所に向かう家族連れなどが見られた。

 祖父母やいとこと神戸から乗船した山口県山口市の小学3年・片倉景道くん(8)は、「奄美大島は初めて。自然がいっぱいあると感じた。オプショナルツアーで観光船に乗り、海中を観察するのでたくさんの魚を見てみたい」と話した。

 同船は午後7時ごろ、名瀬港で関係者に見送られ、次の寄港地・種子島に向かった。