ウミガメが上陸していないか大浜海岸を見て回る参加者ら
アカウミガメの上陸減少傾向報告
海洋生物研 大浜海岸で観察会
奄美海洋生物研究会(興克樹会長)主催のウミガメミーティングが6日夜、奄美市名瀬の奄美海洋展示館などであった。家族連れら約40人が参加、海の危険生物やウミガメの生態、奄美大島での上陸、産卵状況などについての講習会を受けた後、全員で大浜海岸を見学して回った。この日、ウミガメの上陸は確認されなかったが、興会長によると、5~6月にかけ産卵のシーズンを迎えるため、島内の砂浜などに上陸するウミガメがみられるようになるという。
同協会は、ウミガメの保護や調査を目的に12年度に発足。毎年、県や市町村の関係機関、地域住民らと協力し、奄美大島の砂浜約150か所で産卵状況の調査などを行っている。
講習会では、猛毒を持つ巻貝やカニ、クラゲ、魚類などについて興会長が説明、①きれいな巻貝は触らない②変なカニは食べない③刺されてら酢をかけちゃダメ(海水で水洗いする)④トゲトゲはぬるま湯で洗う―といった対処法を紹介、「むやみに触らないことが大切」と呼びかけた。
奄美大島に上陸するウミガメについては、アカウミガメが減少傾向にあることなどを報告。その背景について興会長は、「アカウミガメの餌場となっている東シナ海で、密漁や大型巻き網漁船などによる混獲があるのでは」と分析。産卵場の環境保全だけでなく、生育環境を含めた環境保護対策の必要性を指摘した。
大浜海岸では、ウミガメは見られなかったが、カニやオカヤドカリなどを発見。参加者たちは、興さんの説明を聞きながら、海の生態に触れた。