男子生徒の死を悼み黙とうする再発防止対策検討委の委員ら
遺族への謝罪の思いを語る要田教育長(右)ら
奄美市教育委員会は7日、同市の公立中学1年の男子生徒=当時(13)=が2015年11月に自殺した問題で、再発防止に向けた在り方などについて検討する「再発防止対策検討委員会」を設置し、初会合を開いた。要田憲雄教育長が冒頭にあいさつし、「第三者委員会の調査結果を重く受け止め、今後二度と起こらないための再発防止対策について皆さんのご意見を聞きたい。遺族の皆様には大変なご心痛をおかけしまして、心からおわび申し上げたい」と、遺族への謝罪と再発防止への思いを述べた。
委員には、大学教授、市の顧問弁護士、公認心理士、PTA代表、校長、教頭、生徒指導主任、養護教諭、市教委職員の計10人を選任。委員長には、鹿児島大大学院教育学研究科(教育心理学)の假屋園昭彦教授が就いた。会合は冒頭のみ報道機関に公開され、委員全員で黙とうし、亡くなった男子生徒の冥福を祈った。
市教委によると、今年度末までに計5回の委員会を開き、▽生徒指導態勢▽いじめ防止に向けた対応▽不登校児童生徒への対応▽教育相談態勢▽生徒指導等に関する教育委員会の対応▽生徒指導等に関する研修ーについて、その在り方を協議、再発防止対策としてまとめる。同対策委がまとめた要綱は、市内の小中学校の全教職員に配布するなどし、再発防止に生かす方針という。
委員会終了後、假屋園教授と要田教育長が取材に応じ、同対策委の今後の方針などについて説明した。假屋園教授は「最終的には再発防止が委員会の目的。そのためにどうしたらよいのか、共通理解を得ることができた。具体的な内容については、今後、話し合っていく。それぞれの分野から選出された委員が自由に意見を出せる場にしたい。学校と家庭、地域の連携についてもしっかり行えるような提案をしていきたい」と語った。
また、遺族が教育長による謝罪や同対策委についての説明を求めていることについて、要田教育長は「具体的な再発防止策がまとまった段階で、しっかりと報告したい。委員会に遺族や第三者委にも来ていただき、ご意見を聞くこともある」と説明、直接の謝罪については「具体的な状況を判断し、謝罪したい。時機については、弁護士とも相談し検討したい」と述べた。
次回の委員会は7月16日の開催を予定している。