空路好調、10%伸び

 

 

スカイマーク再就航は鹿児島からの入込増につながった(8月1日撮影、奄美空港)

 

 

スカイマーク、LCCなどで
海路、インバウンド効果も台風影響
18年群島観光動向

 

 県大島支庁と(一社)奄美群島観光物産協会はこのほど、2018年「奄美群島観光の動向」をまとめた。群島外から直接各島を訪れた客数(入域客数)に群島内の移動客数を加えた入込客数は過去最高を記録。空路はスカイマークの就航再開や格安航空会社(LCC)・大阪直行便の通年運航などで前年比10%の伸びを見せた。海路はクルーズツアーで4港25回寄港。例年になくインバウンド(訪日外国人観光客)の来島が多かったものの、全体では台風による定期フェリーの欠航が重なり、前年比0・1%増にとどまった。

 入域客数は67万8121人(前年比9・5%増)、入込客数は88万5411人(同7・2%増)。空路は日本エアコミューター(JAC)の奄美群島アイランドホッピングルート開設(昨年7月)やLCC、スカイマークの鹿児島―奄美大島間路線の再開(同8月就航)で利用が拡大。さらに海路もクルーズ船が25回寄港(前年比7回増)など、奄美大島への入込の伸びが18年動向の大きな特長だ=表=。

 月別入込客数のピークは8月で10万5072人、閑散期は1・2月でどちらも6・1万人程度。島別で見ると空路充実を背景に8月以降、前年を上回る傾向がみられた。特に奄美大島は8~10月の前年同月比が21・5~28・5%と飛躍的に増加したほか、徳之島は同比でおおむね10%以上となる好調さだった。

 海路では、名瀬港のクルーズ船寄港21回が後押しし、奄美大島への入込は前年比11・5%増となったが、台風接近で空・海路の欠航が相次ぎ、他4島はダウン。特に与論島は、7~11月は前年同月比12・5~19・4%減と大きく落ち込んだ。

 群島内の自治体や観光団体によると、世界自然遺産登録や東京などでの観光プロモーション、メディアでの紹介が奏功。奄美の認知度は上昇傾向にあり、「空路は拡大した分だけ上積み。クルーズ船も年々寄港増となっている」(観光事業者)。

 スカイマーク就航について同物産協会関係者は「鹿児島経由で中部圏域からの移動も少なくない。大河ドラマ『西郷どん』効果も大きかった」と振り返る。観光目的での入込が高い奄美大島と与論を軸に、引き続き群島内の観光波及に意気込む。

 なお関西圏からの入込に貢献したLCCバニラ・エアの直行便が5月6日で終了。再開見通しは未定(5月現在)となっており、今後の懸念材料となっている。