町田酒造と山野井が業務提携

町田酒造と山野井が業務提携

共通ギフトセット商品を紹介する山野井社長(右)と中村社長(左)

「新たな鹿児島の特産品を」
黒糖焼酎を調味料に

 【鹿児島】南さつま市の食肉製品製造業・山野井(山野井進治社長)と龍郷町の黒糖焼酎メーカー・町田酒造(中村安久社長)が業務提携を結び、14日は南さつま市の山野井本社で調印式があった。山野井が製造する一部の食肉加工商品に町田酒造の黒糖焼酎「里の曙」を使用する。両者の強みを生かして相乗効果を発揮し「新たな鹿児島の特産品を全国に発信していきたい」(山野井社長)と意気込みを語っていた。

 昨年8月に旧知の間柄だった両社長が奄美で会食した際、山野井社長が黒糖焼酎を調味料として使用するアイデアを思いついた。山野井社長はドイツで修業し、食肉加工のマイスターの国家資格を持つ。これまでドイツ産のワインを調味料で使用したことはあったが、黒糖焼酎を使用するのは初めての試み。「炭焼き焼豚」「豚の干し肉」「炭焼きミミガー」など新たな商品が生まれた。通常の2倍の量の黒糖を使用し減圧蒸留によって作られた「里の曙」を調味料としたことで、山野井社長は「黒糖の持つ甘み、まろやかさ、香りが加わり、他の調味料では引き出せない味ができた」と話す。

 両社はこのほか、両社の製品を詰め合わせた「おつまみセット」「バラエティーセット」などの共通ギフトセット商品の販売、お互いの商品を直売店などで販売したり、営業担当者同士の相互協力などに取り組む。「黒糖焼酎のシェアを広げる上で業界全体にもプラスになる」と話す中村社長は「お互いに良いものを作っていきたいという思いは同じ。『作る』だけでなく『売る』ことも手を携えて進めていきたい」と語っていた。