世界自然遺産博士講座開講

世界自然遺産博士講座開講

野生生物のはく製に興味を持ち集まる子どもたち

 

「観光ではなく自然守るため」
瀬戸内町 子どもたち多岐にわたり学ぶ

 

 瀬戸内町教育委員会の2019年度「こども世界自然遺産博士講座」の開講式が18日、同町の図書館・郷土館であった。参加した23人の子どもたちは世界自然遺産や奄美大島の自然の価値、ハブの生態など多岐にわたって学んだ。

 講座は身の回りの動植物にふれあいながら学ぶことで、子どもたちの自然保護の意識を高め、世界自然遺産登録への興味を促す狙いで、町教委が16年度から主催。町内の小学校4年~中学生を対象に毎年行っている。講座は全9回を予定しており、最終回には認定試験を実施する。これまで延べ59人が受講し、35人が試験に合格している。

 初回となったこの日は、奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー・髙橋周作さんが「世界自然遺産ってなんだろう?」の題で講話。奄美に希少種・固有種が多く生息する理由や、奄美の自然環境の特徴などをクイズ形式で出題。また、アマミノクロウサギやケナガネズミなどのはく製を子どもたちに触れさせ、理解に役立てるなどした。

 髙橋さんは講演の中で、世界自然遺産を「国や民族を越え受け継ぐべき価値を持つ世界の宝物」と位置づけ、「世界自然遺産は観光のためではなく、貴重な奄美の自然を守るために登録を目指していることを誤解しないでほしい」と訴えた。

 このほか東京大学医科学研究所の服部正策特任研究員による講義「ハブについて知ろう!」もあった。昨年に続き受講したという阿木名小5年の玉利康惺君(10)は「瀬戸内町の自然を知り、どうすれば奄美が世界自然遺産に登録されるかを学んでいきたい」と意気込んだ。