世界自然遺産登録を願いパレードをした東京奄美会と徳永ゆうきさん、城南海さん、牧岡奈美さん、2列目右から3人目が大江修造東京奄美会会長
そろいの大島紬と、定評のあるきれいな手の所作で観衆を魅了する「東京奄美会女性部」
かわいらしい子どもと共に、徳之島のPRに一役買った「関東・ザ・徳之島」
笑顔が印象的な、東京喜界会・島踊りの会は、全回出場を誇る
息の合った踊りで注目された、東京配田ヶ丘同窓会
【東京】東京奄美会、渋谷で堂々のパレード――。渋谷・おはら祭実行委員会はこのほど、渋谷の道玄坂の文化村通り周辺で「第22回渋谷・おはら祭」を開いた。恒例のビッグイベントに、多数が参加して盛況となった。東京奄美会は「世界自然遺産登録」を願う横断幕を引っ提げて、オープニングパレードを務める快挙。沿道に詰めかけた多くの観衆に向け絶好のPRとなった。奄美群島からは郷友会など4組が出場したが、今回は入賞にその名はなかった。
約2600人、66組の踊り連が渋谷のメーンストリートで南九州最大の「おはら祭」を再現しようと熱気があふれる中、マイクを通じて真っ先にその名を連呼されたのが、東京奄美会だった。数多くの人たちが注目する舞台での「世界自然遺産登録」へのアピールを思い立った東京奄美会は、実行委員会への働き掛けをこの3月に開始。その結果、参加連に先立つパレードに加われる栄誉を得ることとなった。
イベントが迫る中での決定だけに、パンフレットには名前はないが、大観衆に向けて堂々の行進。艶やかな大島紬の女性陣と、粋な法被の男性陣、合わせて50人の役員らが参加。「2020~奄美・世界自然遺産登録の実現を~ 東京奄美会」と染め抜かれた横断幕を先頭に、好天のもと晴れやかに練り歩いた。
東京奄美会・大江修造会長は「これだけの人に奄美をPRできたのは、うれしいの一言。これを機会に世界自然遺産登録に向けて弾みがついてほしい」。大役の一端を果たした責任に、感無量の表情で語った。
パレードには、歌手の城南海さん(奄美市出身)と徳永ゆうきさん(瀬戸内町2世)、唄者・牧岡奈美さん(喜界町出身)も応援に駆け付け、花を添えていた。3人の登場に、沿道からは、大きな歓声やさざ波のような拍手が巻き起こっていた。
一方、踊り連として、「東京奄美会女性部」「東京配田ヶ丘同窓会」「東京喜界島・島踊りの会」「関東・ザ・徳之島」の4組が出場。日頃の練習成果を華やかに、そして力強くも披露、盛んな拍手を浴びていた。
入賞こそならなかったが、奄美の風を大都会に心地よく吹かせていた。ある参加者は「パレードの上に、入賞まではぜいたくというもの。楽しみは来年に取っておきます」と、世界自然遺産登録と同様に、喜びを先送りしていた。