マングローブパーク内に世界遺産センターが2021年度に工事着工を予定している
奄美市住用町のマングローブパーク内に整備が予定されている世界遺産センターが、2021年度から工事着工する予定であることが分かった。先日奄美市名瀬であった奄美群島の世界自然遺産登録推進協議会で、環境省沖縄奄美自然環境事務所の東岡礼治所長が整備予定や施設の概要などを明らかにした。
東岡所長によると、18年度に世界遺産センターの基本計画を策定。今年度に基本設計、20年度は実施設計し、21年度に工事着手する見通し。
同センターは、ビジターセンターや奄美観光活性化拠点、島民参加型施設の三つの視点を盛り込む。世界自然遺産の特徴を▽国内最大級の亜熱帯照葉樹林▽大陸からの隔離の歴史▽数多くの固有種(遺存固有・新固有)、絶滅危惧種の生息地▽豊かな環境文化景観―と整理して、来館者に分かりやすく伝える展示が行われる。
同センターは、ビジターに世界自然遺産の奄美大島の見どころやガイドツアー情報等を案内。道の駅のマングローブ館との情報提供は、役割分担を検討するという。
そのほか17年3月誕生の奄美群島国立公園の利用関係で、コアゾーンの湯湾岳で展望台や歩道などについて今年度基本計画を策定する。東岡所長は「マングローブパーク内に、より自然を身近に感じられる施設として、基本設計を進めている。登録を経てオープンの際には、奄美大島5市町村に運営に協力をお願いしたい」「湯湾岳線歩道は、利用者が眺望を楽しめるように整備したい」などと語った。
出席委員から「徳之島や沖縄にも遺産センターが必要でないか」との質問があり、東岡所長は「どういう遺産センターになるかは地域と調整がある。徳之島はどういうものを整備するかを検討して、来年度以降に基本計画をまとめたい」と回答した。