東京のIT企業 奨学金で学生支援

東京のIT企業 奨学金で学生支援

専門学校の教室で行われた奨学金などに関する説明会

奄美情報処理専門学校 2年生対象に月額3万円支給
「奄美はIT人材の宝庫」

奄美市の奄美情報処理専門学校に講師派遣を行うなど同校と連携した人材育成に取り組んでいる東京都のIT企業「㈱フィジオ」は、今年度から同校2年生を対象に、学費として月額3万円を支給する奨学金をスタートさせる。同社の野村玄吾社長(45)は「奄美はIT分野で活躍できる優秀な人材の宝庫。IT関連の仕事を目指す優秀な人を応援したい」と話している。

野村社長は24日、同校を訪れ、学生を対象にした説明会と面接を行った。今後、学校側の推薦なども考慮し、1年次の成績優秀な学生数人に、月額3万円を4月分から1年間、支給する。来年度以降も2年生を対象に継続するという。

同社は5年ほど前から同専門学校の卒業生を採用しており、野村社長は「奄美大島出身の社員はみんな優秀で、島にはまだまだ優れた人材が埋もれていると感じた。経済的な理由で、学ぶことを断念してしまう人を支援したい」と話す。

野村社長は同専門学校についても「企業などから多くの外部講師を招いて授業を行っており、講義内容は島外の専門学校にも劣らない。高額な学費や生活費をかけて島外で学ぶより、奄美で即戦力としてのスキルを身に着けるほうが将来の役に立つ」と話した。

説明会には、同校の卒業生で入社3年目の岡田泰崇さん(27)と、入社2年目の窪田優輔さん(21)も同行。岡田さんは、「今は不安が大きいだろうが、奄美でもしっかり勉強すれば、世界相手の仕事をするだけの知識と技術を身に通勤けることができる」と話し、窪田さんは「自分の強みになる分野を持つことで、自信もついてくる。しっかりと勉強をしてほしい」とエールを送った。

同専門学校には、現在1年生16人、2年生11人が在籍しており、福山洋志校長は「講師として最先端の知識や技術を教えてもらっている上に、奨学金まで支給してもらい学校としても感謝している。経済的に厳しい環境にある学生にとってもありがたい」と喜んだ。

同社は、人工知能(AI)を備え定型的な事務作業を行うソフトウェアの開発などを行っており、従業員数は100人。野村社長は「将来的には、奄美大島でも仕事ができる環境も整備していきたい」と話している。