野生生物保護功労者表彰で自然環境局長賞受賞

オオゴマダラの飼育・観察が評価され野生生物保護功労者表彰の環境省自然環境局長賞を受賞した=提供写真

17年に同校で撮影された羽化直後のオオゴマダラ(中央)と金色のさなぎ(右)=提供写真

佐仁小、オオゴマダラの観察で
「今後も宝守り育てたい」

 第73回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」がこのほど、東京都内のホテルであった。同行事中にあった野生生物保護功労者表彰式で、奄美市笠利町の佐仁小学校(花房八重子校長、全校児童数13人)が取り組んでいるオオゴマダラの飼育・観察が、環境省自然環境局長賞を受賞した。表彰状を受け取った柏本啓太教頭は「校区の方々、歴代の先生方、佐仁っ子たちの長年の努力が認められ重みを感じる。今後とも活動を充実させ、佐仁小の宝を守り育てていきたい」と話した。

 オオゴマダラはマダラチョウ科で、白地に黒のまだら模様が特徴の翅=はね=を持ち、広げると15㌢ほどの大きさになる大型のチョウ。暖かい地方に分布し、インドや東南アジアなどでも確認でき、日本では沖縄や奄美群島に生息している。

 同校では2003年、オオゴマダラが校内に飛来し、産卵したことを受け、飼育小屋を設置。教員や地域住民らが協力し、観察記録を続けてきた。10年には3・4年生を中心とした「蝶クラブ」が立ち上がり、成虫やさなぎなどの頭数調査、卵の個数調査を毎朝実施。動植物を大切にする意識の高揚に一役買っている。今年度からは県の環境教育研究指定校として、オオゴマダラの飼育観察を中心に2年間研究に取り組むという。

 同表彰は野生生物保護思想の普及啓発や保護のための環境管理・研究活動等に功績のあった個人や団体を称えるもの。環境省と日本鳥類保護連盟が毎年選考しており、今年度は13個人団体が受賞した。受賞を受け、16年間飼育・観察のアドバイザーとして活動に携わってきた佐仁集落の奥道子さんは「受賞は大変うれしく、誇らしい。今後も子どもたち、オオゴマダラのために協力していきたい」と語った。

 表彰状と盾は後日学校に持ち帰られ、子どもたちは笑顔で記念撮影。5年生の中尾瑠依くんは「これまで以上に飼育活動を頑張りながら、観察方法やまとめ方を工夫し、たくさんの人たちにオオゴマダラの素晴らしさを伝えていきたい」と意気込んだ。