ダイオキシン類基準値オーバーの焼却飛灰埋立ての最終処分「違法状態」も確認した=11日、伊仙町
【徳之島】徳之島愛ランドクリーンセンター(伊仙町西目手久)所在町の住民各層からなる伊仙町「ごみ処理施設合意形成推進協議会」(小原幸三委員長ら19委員)の第1回協議会が10日夜、同町中央公民館であった。基準値超のダイオキシン類を含む焼却飛灰が最終処分場に埋め立てられ「違法状態」にある実態を共有。継続使用か新施設建設か、の〝2段階合意〟に向けて、喫緊の課題の同排出改善への行政要請事項などを決めた。
徳之島3町(広域連合)運営の同ごみ処理施設、徳之島愛ランドクリーンセンター(2003年3月完成)は、当初の耐用年数見込み「15年」を超え17年目。長寿命化補修による継続使用か、3町の申し合わせ通り移転新設か。同施設整備基本構想策定検討委員会(委員長同)と並行して西目手久住民説明会も実施。焼却飛灰中のダイオキシン類が過去5年間、基準値(3ナノ㌘以下)を大幅に超過していたことが明らかになった。合意形成推進協は同対策と〝2段階合意〟に向け、町民の合意形成(9月末報告)を目指すもの。
広域連合議員や町議会議員、集落区長、青年団、地域女性連、観光連盟、校長会、商工会、教育委員、西目手久集落検討委員会の代表など19委員で構成。大久保明町長が委嘱状(任期21年3月末)を付与して、「焼却飛灰に(基準値超の)ダイオキシン類が発生。(施設)設置自治体で合意推進協を作り、多くの方々が納得できる方向性を示すことが重要」と要請。委員長には、西目手久住民であり同施設整備基本構想策定検討委員長も務める小原氏(鹿児島大名誉教授)を互選した。
小原委員長は経過や現状報告の中で、「ダイオキシン類の基準値オーバーは県内最悪のデータ(1号炉=15年9・2ナノ㌘をピークに17年度3・5ナノ㌘)。行政的な分析・改善を怠っていた。(焼却飛灰を)最終処分場に埋め立てることは違法状態。(島外専門業者への)特別処理委託が必要」と指摘した。
一方、地元の西目手久ごみ処理検討委員会の美山保委員長(区長)は、広域連合に対する「基準が満足できない場合は、運転の停止を要求する」など申し入れ(5月18日)や、合意形成推進委に対してもダイオキシン類が基準値超の現状が続くと「合意の前提にならない」とくぎを刺す提案(今月2日)を行ったことも公表した。
同基準値超の原因説に関する質疑では、焼却炉への生ごみ(塩分)混入による燃焼温度低下などのほか、委員からは農業用廃プラや、小型電子機器が粉砕処理されピットに投入・焼却されている―など指摘もあった。
喫緊の課題のダイオキシン類排出対策では同測定経費(計5回分・50万円)の行政予算化を要望する。協議を重ね9月末を目標に合意形成や、西目手久地区と町の協定、関連付加したごみ処理条例の制定なども目指すという。