朝日中卒2人がIHへ

【男子400㍍障害】52秒83で2位だった田中=白波スタジアム

男子400㍍障害・田中(鹿南)2位
女子100㍍・幾(鹿女子)3位

 陸上のインターハイへの最終予選となる2019年度全九州高校総体陸上南九州地区予選大会第2日は14日、鹿児島市の白波スタジアムであった。

 奄美関係では男子400㍍障害の田中天智龍(鹿児島南、朝日中卒)が52秒83で2位、女子100㍍の幾真希(鹿児島女、同)が12秒13で3位入賞しインターハイ出場を決めた。男子5000㍍の徳丸寛太(鹿児島実、朝日中卒)は15分0秒02で11位だった。

 第3日は15日、同会場である。

復調の手応え 田中

 ライバル・米田(九州学院・熊本)の後塵を拝したが、田中天智龍は久々に52秒台のタイムを出し、昨年より順位を1つ上げて2位でインターハイ出場を勝ち取った。「故障明けだった県総体は7、8割程度の力しか出せなかったが、9、10割に近い力が出せた」と復調の手応えをつかんだ。

 前日の400㍍は8位でインターハイ出場は逃したものの、49秒10と自己ベスト1秒以上縮めて「のりにのった気持ち」で得意の400㍍障害に挑むことができた。右太ももの肉離れから復帰してレース感覚が戻っていなかった分「前半を思い切り突っ込めなかった」反省は残ったが、自分のレースに集中することができた。

 51秒57の大会記録を出した米田にはかなわなかったが、昨年敗れた深澤(宇土・熊本)や伸び盛りの2年生・岩永(宮崎大宮)には競り勝った。ハードリング以上に「10台目を跳んでから残り45㍍をしっかり走れた」ことが一番の収穫だった。

 今季はケガで1カ月半走れない時期があり、全国を争うライバルたちが順当に結果を出していることに焦りを感じていた時期もあったが「ようやく自分もライバルたちと勝負するスタートラインに立てた」ことを喜ぶ。これまでずっと米田の背中を追うレースが続いていたが「インターハイでは僕の背中を追わせるレースをする!」とライバルに強気の挑戦状を突きつけた。

(政純一郎)

「自分の走り」に集中


【女子100㍍】12秒13で3位だった幾(右)=白波スタジアム

夢舞台つかむ! 幾

 これまでリレーでしか行けなかったインターハイを、幾真希は自己ベストの12秒13で勝ち取った。「うれしい! 今まで苦労したことが実った」と充実の笑顔がのぞいた。

 県総体が終わって「インターハイに行きたい!」気持ちが強くなった。南九州まで2週間弱の準備期間は、県総体で見えた課題を分析、改善し「自分の走りに集中する」ことを意識して取り組んだ。

 田畑(松陽)、山﨑(鹿児島)、中学時代からトップを争う同級生に加えて、11秒台のベストタイムを持つ神田(宮崎商)と強力なライバルとの勝負よりも「6位以内に入る」ことを目標に、自分の走りに集中し、技術的には「力まずにしっかり腕を振る」ことだけを意識した。

 奇しくも予選、準決勝、決勝と3本とも、走るレーンは神田の隣。だが猛者を意識して臆することも、力むこともなく走り切れた。予選、準決勝は神田に次ぐタイムで勝ち上がった。

 決勝では田畑に0・01秒差で敗れたが、むしろ「0・01秒差に迫ることができた」と強がりでなく、前向きに考えられるようになった。過去2年間、個人種目はいずれも準決勝敗退で涙をのんだ。新チームになってからは名門・鹿児島女の主将という重荷に苦しみ悩む日々も多かった。その全てが意味あるものだったと心から思えた。
(政純一郎)