奄美署 協力した団体、個人を表彰

 ①奄美署と奄美群島国立公園管理事務所から感謝状が手渡された奄美航空の中里部長(写真中央)

 ②詐欺被害防止のお手柄に感謝状が贈られた嶽元さん(写真左)

希少種持ち出しを通報 うそ電話詐欺を未然に
環境省も感謝状贈る

 違法な希少動物の島外持ち出しや、うそ電話詐欺を防いだとして奄美署(井上昌一署長)は25日、通報などで捜査協力と犯罪防止に貢献した奄美市内の事業所と個人にそれぞれ感謝状を贈った。

 昨年7月、奄美市笠利町の奄美空港から「アマミイシカワガエル」やヘビなど奄美大島の希少動物が島外に持ち出されようとしていたところ、㈱奄美航空の職員が航空貨物として預けられたキャリーケースにカエルなどが入ったプラスチックケースを確認し、通報。持ち出しを防いだという。持ち出そうとした東京都内の男2人は「種の保存法」違反の疑いで今年4月、逮捕された。

 また今年4月、同市内のファミリーマート名瀬港町店で、来店した男性客が電子マネーのプリペイドカード3枚(総額15万円分)を購入しようとしたため、不審に思った同店店員の嶽本洋一さん(43)が男性に声を掛け、警察への相談を促した。その後同署の捜査で詐欺であることが判明し、被害防止につながった。

 同日は同署内で感謝状贈呈式があり、井上署長が対象者に感謝状と記念品を手渡した。

 奄美航空の中里修平総務部長は「来年の世界自然遺産登録に向けて官民一体となって取り組んでいるところ。違法な持ち出しを空港職員の連携で防げたことをうれしく思う」と話した。

 なお同社に対し、環境省奄美群島国立公園管理事務所も感謝状を贈呈。二神紀彦・国立公園保護管理企画官は水際での機転をたたえ、「離島からの持ち出しは空か海のルートしかない。盗掘情報などを共有し、関係機関で連携を図ることが大切」と語った。

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 男性客の高額な買い物に違和感があったという嶽本さん。「(男性は)あせっている様子でメモを見ながら購入しようとしたため、声を掛けさせてもらった。これからも適切な対応に取り組めたら」と述べた。

 同署生活安全刑事課によると、管内でうそ電話詐欺案件は今年に入り1件、被害額10万8千円という。全国的に詐欺の手口が巧妙化しており、同課は「電話での振り込み依頼には疑って、警察などに相談してほしい」と注意を呼び掛けている。