就業に生かそう 働く厳しさや喜び体験

就業に生かそう 働く厳しさや喜び体験

実習も終盤。クリーニング店ではテキパキと仕事をする生徒の姿が見られた

企業など18社受け入れ
大島養護学校高等部2・3年

龍郷町の県立大島養護学校(山口敏親校長)は17~28日までの10日間、高等部2・3年生の生徒が企業や施設で職場勤務を体験する「前期産業現場における実習」を行っている。生徒たちは毎日の通勤を通して、仕事の厳しさや楽しみながら働く喜びを感じ取った。

実習は、日頃の学習成果を発揮し、実際の現場で働く喜びや厳しさを学ぼうと実施。企業などが受け入れることで、特別支援教育への理解、障がい者雇用の啓発へつなげようとの狙いもある。

今回は、奄美市や同町の企業など18社が受け入れ。観光事業所や福祉施設など、計32人が実習に臨んだ。

奄美市名瀬の「NPO法人ティダワークス」(宇﨑理生理事・事業所長)では26日、同校・関雅生さんと港川愛海さんが同事業所が運営するクリーニング店「ホワイト急便」で実習。就業体験8日目ということもあり、仕事もテキパキとこなしていた。

同所は、今年4月に就労継続支援A型事業所に認可。障がい者雇用の実績もあり、宇﨑理事は「2人とも素直で一生懸命。今回の体験が今後の就業に生かせるよう頑張ってほしい」などと話した。

2人の仕事は、洗濯を終えた企業服やタオル、毛布などをたたんで包装すること。たたみでは、衣類の角を丁寧に合わせて、シワにならないよう一つ一つ集中し作業を進めた。

企業の制服などは、2人で競うようにたたみ、数を確認して所定の箱に収納。休憩時などは、社員とも会話を交わして食事をともにするなどふれ合った。

関さんは「速く上手にたためるようになった」と継続の成果を実感。将来介護士を目指しているという港川さんは「家で洗濯物をたたむのを手伝うなど役立てたい」と笑顔を見せた。