和泊町で群島文化財保護対策連絡協総会・研修会

和泊町で群島文化財保護対策連絡協総会・研修会

文化財保護行政の課題と今後の対策についてグループ討議を行う参加者ら=和泊町=

「安定した学芸員配置を」
保護と活用考える

【沖永良部】2019年度奄美群島文化財保護対策連絡協議会総会・研修会(大島教育事務所、同協議会主催)が26日、和泊町役場会議室であった。今年度の事業計画や予算案などを承認。研修会では、文化財保護行政の課題と対策について意見を交わし「安定した学芸員の配置が必要」「文化財担当者が地域の現状を知るべき」などの意見が出た。

奄美群島の文化財の保護と活用について連携・協調を図り、その対策を考えようと毎年開催。各市町村の文化財保護審議委員や教育委員会の職員ら約50人が参加した。

総会に続き、研修会を実施。四本延宏会長は「各市町村で多くの課題がある。文化財行政を進める上で困っていることを話し合い、実りある研修にしてほしい」とあいさつ。県教育庁文化財課の森幸一郎文化財主事が、今年4月に施行された改正文化財保護法などについて講話した。

事例発表では、「わがまちの文化財」と題して和泊町の前田修一副町長が同町指定文化財「世之主の城跡」と「後蘭孫八の城跡」を紹介。さらに、近年の和泊町の文化財調査について同町教育委員会の北野勘重郎さんが説明し、「地域住民からは世之主城跡の復元や活用を求める意見が出ているが、住民の声と教育委員会の事業やそのスケジュールにギャップがある」と課題を挙げた。

最後に「わがまちの文化財保護行政と今後の対策」をテーマにグループ討議が行われた。発表では「文化財担当者が地域のイベントなどに参加して現状を知る必要がある」「地域住民が郷土の文化財に触れる機会を増やす」「安定的な学芸員の配置が出来ないと、文化財行政を進めていくのが難しい」などの意見が出た。

森文化財主事は「学芸員は、担当の仕事だけでなく他の業務にも関わっているはず。その姿勢が大事であり、優秀だからこそ、いろいろな仕事をこなせるということをPRしてほしい」と講評した。