公示直前 大雨直撃

朝から電話応対に追われる選挙事務所(3日午後2時ごろ)

参院選・鹿児島選挙区
 
集会や遊説は中止へ
異例の事態 対応追われる各陣営

 第25回参院選挙は4日、公示され、21日投開票まで17日間の戦いに突入する。鹿児島選挙区(改選議席数1)には3人が名乗りを上げているが、6月末から九州南部で降り続いている大雨により、県本土は広範囲の地域で住民避難や道路事情が悪化。各陣営は当初、鹿児島市内で第一声の集会を予定していたが、中止を余儀なくされた。天候はしばらく不安定な情勢で、選挙戦序盤の展開に見直しを迫られる異例の事態となっている。

 鹿選挙区には、自民党現職の尾辻秀久氏(78)=当選5回=、いずれも無所属新人で、野党4党(立憲民主、国民民主、共産、社民)が推す行政書士の合原千尋氏(39)、元霧島市長の前田終止氏(71)の3人が立候補を予定。

 各陣営は通常国会が閉会した6月末から、選挙準備を本格的にスタート。立候補予定者は県内各地であいさつ回りや国政報告、説明会を開催。離島エリアにも足を運び、地盤を中心に支持固め、票の掘り起こしにつとめてきた。

 しかし公示前日の3日、県本土は、断続的に降り続く雨から冠水や土砂崩れが発生。気象庁や自治体は鹿児島市全域(約60万人)のほか、県内各地に避難指示を発令した。4日にかけても猛烈な雨が降る予想から、全陣営が「命に関わる緊急事態」として、通常なら行う届け出後の第一声の集会中止を決定した。

 陣営スタッフはあわただしく日程の中止や変更をSNSで周知し、問い合わせの電話や来客の対応に追われた。スタッフの一人は「今後の動員にも影響が出そうな状況。さらに深刻化した場合、選挙展開も修正しなければならない」と話し、天候の回復を祈っていた。

 なお3陣営は4日午後の予定について、「天候の状況を見ながら検討したい」としている。