豪雨災害への警戒が続くなか、鹿児島選挙区候補者の第一声に耳を傾ける有権者ら
第25回参院選は4日公示され、鹿児島選挙区(改選数1)には、元霧島市長で無所属新人の前田終止氏(71)、野党統一候補で無所属新人の合原千尋氏(39)、元厚労相で自民現職の尾辻秀久氏(78)=届け出順=の3人が立候補を届け出た。県内各地で豪雨による土砂崩れや冠水被害が発生、多数の避難住民が出る異例の事態に、各候補は予定していた出陣式や遊説を取りやめるなど、大雨への警戒が続くなか、21日の投開票に向けて、17日間の選挙戦がスタートした。
届け出受付は午前8時半から鹿児島市の県庁2階講堂であり、各陣営は「選挙の七つ道具」を受け取ると、急ぎ候補者が待つ会場へと向かった。3候補はいずれも大票田の鹿児島市で第一声。各陣営とも当初、出陣式を予定していたが、豪雨による災害などに配慮、立候補の報告会に切り替え、選挙事務所や鹿児島中央駅などでマイクを握り、集まった有権者らに、公約として掲げた政策などを訴えた。
三つどもえとなった選挙戦は、6選を目指す自民現職の尾辻候補に、野党4党(立憲民主、国民民主、共産、社民)が推す合原候補、元自民県議でもある前田候補が挑む構図。3候補は公示前から、年金など社会保障制度の在り方や消費増税、安倍首相の経済政策「アベノミクス」や地方創生、憲法改正の是非などを争点に前哨戦を展開、友好団体などを中心に支持拡大を図っている。今後は、無党派層の票の取り込みや強固といわれる保守層の票の行方が選挙戦にどう影響するのか注目される。
一方、県内全域を選挙区とするなか、期間中にどれだけ多くの地域で政策などを訴えることができるかも、候補者にとっては気になるところ。公示直前に豪雨による土砂災害などが発生、各陣営とも遊説スケジュールなど大幅な変更を余儀なくされている。避難住民などに配慮し、初日の遊説をすべて中止にした候補や、地元での出陣式を中止した候補もいる。17日間という限られた期間で、より効果的に活動し、どれだけ幅広い支持を得られるか、陣営ごとの選挙戦略も重要になりそう。
期日前投票は4日から20日まで、県内各市町村の期日前投票所で行われる。投開票は21日。奄美12市町村の投票時間は午前7時~午後6時(瀬戸内町の一部地域は繰り上げ)。また、瀬戸内町の請島、与路島など県内一部の地域は20日、繰り上げ投票が行われる。
各陣営の奄美での遊説予定は次の通り(日程順)。
▽合原候補=10日奄美大島▽前田候補=12日奄美大島▽尾辻候補=15日喜界島~奄美大島、16日奄美大島~徳之島