9月から廃蛍光管を分別回収

9月から廃蛍光管を分別回収

奄美市名瀬有屋町に設置された蛍光管の回収ボックス

 

奄美大島の5市町村
奄美市は70カ所に回収ボックス
「自然環境に配慮」

 

 奄美大島の5市町村は9月から、使用済み蛍光管について、資源ごみとして分別回収を開始する。奄美市は専用の回収ボックスを市内70カ所に設置するほか、名瀬地区ではペットボトルなどと同様、土曜日の資源ごみ回収日に回収する。来年の世界自然遺産登録を目指すなか、同市は「有害ごみでもある蛍光管の分別収集に取り組むことで、自然環境に配慮したい」としている。

 市環境対策課によると、県内19市のうち、蛍光管を分別収集するなどリサイクルに取り組んでいないのは同市を含む3市のみ。国のガイドラインでも、家庭用蛍光管について、努力義務として、リサイクルを行うよう求めており、県内の多くの自治体がすでに分別収集を行っている。

 一方、奄美市などは不燃ごみ(一般廃棄物)として回収しており、奄美市の名瀬クリーンセンターの最終処分場で埋立処理されている。

 蛍光管には有害な水銀が含まれるが、名瀬クリーンセンターでは、割れるなどした蛍光管が持ち込まれることもあり、処理作業中に職員が漏れた水銀と接触する恐れもあり、分別回収による適正処理が課題となっていた。

 各自治体は、9月からの分別回収に向け、準備を進めており、奄美市は回収ボックスの設置費などとして約180万円を予算化、一部地域ですでに回収ボックスを設置、先行して回収を始めている。

 同市の回収ボックスは、名瀬の旧三方地区25カ所、笠利町28カ所、住用町14カ所の計70カ所。町内会や自治会などに管理を依頼、一定量が集まった段階で回収し、リサイクル業者に引き渡される。

 今回、回収の対象となるのは蛍光管のみで、LEDは対象外。同市環境対策課は「リサイクルのためにも、しっかりと分別してもらいたい。LEDは、これまで同様、不燃ごみに出してほしい」と話している。

 名瀬クリーンセンターで処理される搬入ごみは2018年度2万3453㌧。うち、容器包装リサイクル関係の資源ごみは186㌧で、全体の0・8%にとどまっており、分別収集によるリサイクル率の向上が課題となっている。