二大漫画家の作品展始まる

二大漫画家の作品展始まる

銀河鉄道やヤマトなど松本作品の原画を見入る来場者

 

「銀河鉄道」松本さん、先駆けの牧さん
一村美術館 ビデオメッセージも

  
 奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で14日から、「松本零士&牧美也子の世界展」が始まった。「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」などを代表作とする松本さん、妻で女性漫画家の先駆けとして、いまも現役の牧さんとのコラボ展。漫画界の二大レジェンドの作品が多く展示されるとあって、会場にファンが詰め掛けた。

 NPO法人アマミーナ(徳雅美理事長)の主催。過去2回、奄美で大御所漫画家による特別展示会を開催している。今回は、世界自然遺産登録に関連して、自然と宇宙をテーマに描く作家(松本さん)。男女参画社会から自立した女性を描く作家(牧さん)の個展企画を打診したところ両者が快諾、実現したという。

 会場の企画展示室内には、松本さんのデビュー当時の少女マンガ作品から、アニメブームを巻き起こした銀河鉄道やヤマト、宇宙海賊キャプテンハーロック。自叙伝「男おいどん」などの自著入り複製原画32点が並んだ。

 また1957年にデビューした牧さんは、少女誌~レディーズコミック~文学・歴史物語と活躍の場を広げ、ベテラン漫画家の作風の変遷がうかがえる原画26点が展示された。

 初日のオープニングイベントには約100人が来場。ギャラリートークでは徳理事長による作品紹介ほか、マンガ教室もあった。

 開催を記念して、ビデオレターで松本さんは「奄美の美しい自然と景観が永遠に保たれることを願います」。牧さんは「デビューから思いを込めて描き続けた作品を見てもらいたい」とそれぞれメッセージを寄せた。

 名瀬の会社員大屋勝樹さん(44)は「プロ漫画家の原稿を目の当たりにできる機会は奄美では少ない。今回楽しみにしていた」と話し、真剣な表情で作品に見入っていた。

 入場無料。展示は8月4日まで。期間中、大学教授による特別講演(2・5日)もある

 問い合わせは電話0997―52―1816(名瀬公民館)まで。