スマート農業推進へ実証

19年度事業計画や収支予算、スマート農業推進などを協議した大島本島サトウキビ生産対策本部総会

ツマジロクサヨトウ 増産基金適用を検討
大島本島さとうきび生産対策本部総会

 大島本島さとうきび生産対策本部(本部長・朝山毅奄美市長)は16日、奄美市名瀬の市役所会議室で2019年度総会を開いた。3議案を承認。サトウキビの増産、品質向上などに向け年度事業計画の重点推進事項などを確認。新規でスマート農業推進事業を導入し、現地実証や先進地調査も実施するなど生産農家と関係者の一丸となった取り組み推進を申し合わせた。また事務局から徳之島でも確認された害虫ツマジロクサヨトウに対し、増産基金事業が適用できるか県と調整中であるとの報告もあった。

 総会には島内の首長、糖業担当者、県やJA、製糖会社の関係者など約30人が出席。朝山本部長は「昨年は台風の影響で減収だった。来期こそは、3万㌧近い生産量を上げたい。安定したサトウキビ生産を目指し、足腰の強い産業になるよう取り組んでいきたい」などとあいさつした。

 19年度収支予算は、収入・支出が総額203万4千円(前年度比46万1千円増)で、新規でスマート農業推進事業50万5千円を計上する。デトラッシャー部門は収入・支出それぞれ1903万1千円(同47万3千円増)。支出の主なものは修繕料など需用費に771万円(同350万円増)を計上し、設備の延命化が図られる。

 同年度事業計画の重点推進事項は▽作付面積の維持・拡大▽地力の増進(堆肥投入・緑肥栽培)▽品種及び種苗対策(優良種苗の普及推進)▽栽培管理対策(適期植付・基本技術の励行・欠株対策の推進)▽病害虫防除対策(メイチュウ・チンチバック・ハリガネムシ・アオドウガネ防除)▽スマート農業の推進―など11項目を掲げている。

 質疑で出席者からスマート農業を問われ、事務局担当者は「ロボットトラクターやICT技術を活用した、生産性が高く省力化が図れる農業」と説明。「今年度は県の助成で、クボタアグリサービス社のシステムを導入し効果などを検証する。先進地事例調査を徳之島で予定している」。

 協議を終え、その他で徳之島でも確認された南米原産の害虫ツマジロクサヨトウにも言及。事務局の同市笠利総合支所農林水産課は「まだトウモロコシにしか被害は確認されていないが、サトウキビに被害が出た場合を想定して県担当者と、国の『さとうきび増産基金』の事業が適用できないか検討している」とした。