「見えにくい障がい」理解課題

グループワークで障がい支援の具体策を話し合った

「小さな理解の積み重ね」
自立支援協 定例会

 奄美地区地域自立支援協議会(会長・石神康郎奄美市福祉政策課長、委員55人)は17日、大和村防災センターで2019年度第1回定例会を開いた。委員は知的や精神など外見から「見えにくい障がい」に対する具体策で意見交換。各種支援を連携して進めていく一方で、症状への誤解や昨今の事件、ニュースから周囲の理解浸透が難しいとする意見も少なくなかった。

 障がい支援のネットワークづくりに取り組む同協議会は奄美大島島内の自治体、サービス事業所、社会福祉団体で構成。この日は6専門部会(精神、相談支援、子ども、就労支援、地域生活)の委員や事務局など約60人が参加した。

 実践的な具体策を話し合うグループワークを行い、奄美大島島内の行政エリアに分かれ、「地域での障がい理解の進め方」をテーマに意見を交わした。

 委員からは「小規模な地域・集落であれば支援員を通じ、共有しやすい」「学校授業やパラリンピックをきっかけにした啓発も有効」などの意見が出、理解浸透に関係機関と連携して取り組むことで一致した。

 その半面、身体的な障がいと違い、外見からは分からない障がいについて、「多動や挙動で不審に見られやすい。理解が不十分による通報事案も」「メディアによるイメージが先行している」。誤解から理解が進まないことを危惧する各グループの声が相次いだ。

 事務局のぴあリンク奄美は、障がいの種類や程度で対応の度合いは異なることを強調。
 制度改革や理解周知の必要性を呼び掛ける大津敬センター長は「小さな理解を少しずつ積み重ねていくことが求められる」と話した。

 次回は10月を予定。