「徳之島きずな図書館ネットワーク」

「徳之島きずな図書館ネットワーク」

県内2例目・離島初の〝広域図書館〟「徳之島きずな図書館ネットワーク」の運用開始=23日、徳之島町で

 

県内離島初、徳之島3町どこでも利便性向上
共同利用型を運用開始

 

 【徳之島】徳之島3町の町立図書館(図書室)をインターネットで結び、各施設間の蔵書検索・貸出予約・蔵書管理など広域的な共同利用で島民の利便性を高める「徳之島きずな図書館ネットワーク」の運用開始式が23日、徳之島町立図書館であった。〝広域図書館〟システムの導入は県内2例目で離島初。生徒代表らのデモンストレーションで本格運用を始めた。

 同3町では2015年ごろから各町図書施設の共同利用型システムの構築案が持ち上った。16年度の徳之島町立図書館(現蔵書数約7万3千冊)に続き、19年度までに天城町同(同5万2300冊)と伊仙町中央公民館図書室(同約1万7千冊)も同システムへバージョンアップ。島民の利便性を優先して自治体の垣根を超えて広域運用を開始することになったもの。

 事業概要によると、▽「利用者登録・図書の貸出・返却など共同運用の構築」では、1枚の共通利用者カードで3町民がどの図書館・室でも利用者登録および図書の貸出・返却が可能▽「図書館システムの構築」では、3町の各図書施設の蔵書情報を、インターネットなどを通じて検索・予約が可能。県立図書館横断検索ともリンクさせ予約後の貸出・返却も3町でできる。

 それらによる各自治体共通のメリットとして、▽「利用者サービスの向上」面では①他町分も含め資料の所蔵内容と貸出状態が一目で分かる②各蔵書資料の予約ができる③家庭や職場から検索・予約ができる▽「経費削減」の面では、①共同利用でシステムの更新費用や運用・保守経費を削減できる―などを挙げる。

 県内では「大隅広域図書館ネットワーク」(鹿屋市・肝付町・大崎町・南大隅町・錦江町・東串良町で構成)に次ぐもので、県内離島では初の取り組みとなった。

 運用開始式には3町の町長や教育長、図書担当者らが出席した。システム概要の解説(業者)に続き、徳之島町図書館の「多読賞」受賞者の向井苺子さんと栄菜々美さん(いずれも亀津中1年生)が、貸出検索などのデモンストレーションも行った。

 あいさつで高岡秀規徳之島町長は「ICT(情報通信技術)だけが全てではない、子どもたちの教育環境づくりも大事。今後は電子書籍への対応も必要」。大久保明伊仙町長も「子どもたちが本に親しんで世界中の情報を集めることは大事。3町が連携すれば大きな力になる」。徳之島町図書館の里光和恵館長は経過説明を交え、図書館の利用促進をアピールした。