11年ぶり旧盆・月遅れ盆が同日程

11年ぶり旧盆・月遅れ盆が同日程

旧盆・月遅れ盆の13~15日を前に、すでに準備が進み“お盆特集”のポップが目立った奄美市名瀬の小売店(グリーンストア入舟店)

最大9連休 盆商戦準備
台風影響懸念、早めの購入呼び掛け

夏も中盤に差し掛かり、今月13~15日には盆期間を迎える。今年は2008年以来11年ぶりに月遅れ盆と旧盆が全日程とも重なる。また、16年に制定された「山の日」により、大型連休化するなど、例年と違った趣になりそうだ。盆を控えた奄美群島内の小売店では台風接近を前に、〝盆商戦〟の準備に追われる姿が早くも見られた。

 

奄美群島の多くの地域では、旧暦の7月13~15日を期間とする旧盆中に祖先供養を行う。一方、奄美市名瀬大熊地区や、徳之島や沖永良部島の一部地域では新暦の8月13~15日を期間とする月遅れ盆が定着している。今年の8月は旧暦と新暦の暦が重なり、盆も3日間同日程に。11年や16年には一部日程が重なったことはあったが、3日ともがかぶるのは08年以来11年ぶり。

また、今年は11日の山の日が日曜日にあたり、翌12日が振替休日に。13~15日の盆休みを含め、16日も休日とする企業であれば、10日(土曜)から18日(日曜)まで最大9連休となり、帰省客の増加が見込まれる。

奄美市名瀬の小売チェーン店では“お盆特集”のポップが添えられた、煮物用の昆布やシイタケ、落雁(型菓子)が目を引く。4日午前には陳列に追われるスタッフの姿が多く見られた。

同店では3カ月前ごろから発注を行い、盆商戦に対応。例年では旧盆と月遅れ盆と2回に分けて商品を仕入れる。今年は期間が重なるため1回にまとめ、帰省客用の土産物などを例年の1・2倍ほど仕入れた。

同店仕入れ担当者は「盆に求められる商品は年々変わりつつある」と話す。かつては各家庭でそれぞれ作られていた豚の煮物なども、既製品の売れ行きが伸びている。また、人が集まる機会が増えることで、パーティー感覚で食べられる焼き肉用の肉や刺身なども人気という。

盆に向けた仕入れは旧暦の七夕(今年は7日)に合わせて行っているというが、台風の影響が心配される。台風8号は5~6日にかけて太平洋を北西寄りに進み、6日には九州に上陸するおそれがある。鹿児島と奄美群島を結ぶフェリーはすでに条件付き運航を決めている便もあり、仕入れへの影響は必至だ。

同担当者は「食品などは4日に多く仕入れた。台風により消費者の動きが読みづらい上に、欠航となれば入荷の目途が立たなくなる」とこぼした。同店では、市内の系列他店舗のスタッフと情報共有を行い、熱帯低気圧の発生を確認したら仕入れを早めるなどの対策を取る。「台風が来たといっても入荷を減らすことはない」とした上で、「盆に必要なものは台風の影響が出る前に、早めに購入した方が良いと思う」と同担当者は呼び掛けた。