大高生×オックスフォード 活性化策やアイデア話し合う

大高生×オックスフォード 活性化策やアイデア話し合う

発表後、意見を交わす大高生とオックスフォード大学院生たち

未来の奄美、国境越え議論

奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、747人)は3日、英国オックスフォード大学院生を招き同校生徒が英語で議論する「オックスフォード×奄美~奄美市の課題・可能性を探る~」を同校多目的ホールで開いた。奄美の地方創生をテーマに大高生代表2人がプレゼンテーションの下、大学院生9人と議論。未来の奄美をどのような島にしたいのか、国境を越えて意見を出し合った。

事業は、奄美市魅力ある学校づくり支援事業の一環で、オックスフォード大学院生と一緒に、市や奄美の課題や可能性を探るもの。今年3回目で、日本、イギリス、南アフリカ出身の大学院生9人が同校を訪れた。

まずは、2年・箕輪千里さんと3年・平田栄之介さんの大高生2人が島の課題・探究活動をプレゼンテーション。島の活性化策やアイデアを英語で大学院生にぶつけた。

箕輪さんは「SDGsの視点から見た大島紬の振興」と題し、生産反数減少や後継者不足に悩む大島紬を、国連目標のSDGsに照らし、販売促進案などを訴求。柄を使った街の景観化、眠った大島紬の格安レンタルなどを提案した。

続く平田さんは「シマの個性を生かした地域活性化」をテーマに、先進国の若年層減少問題に言及。イギリスマンチェスターでの成功例から導いた「コンパクトシティ」「市民力」をキーワードに、奄美の「島国」「結の精神」にアイデアを重ねた。

発表後、大学院生からは「知名度だけでなく、コストも考えるべき」「イギリスは移民を受け入れ成功したが、その覚悟はあるか」など手厳しい意見も。アドバイザーの岡本尚也さんは「当たり前のものを違う視点で見ることは大事。本気で取り組むならば大人も巻き込むべき」など、総括した。

平田さんは「大学院生は、世界的な視点で意見が多角的」と語り、箕輪さんは「経済的視点が欠けていた。今後もアイデアは発展させたい」など感想を述べた。