生鮮野菜は高値取引

生鮮野菜は高値取引

4日ぶりに島外産の生鮮野菜が並んだ奄美市地方卸売市場

 

 

島外出荷ができず市場に並んだマンゴー

 

島外出荷できずマンゴー値崩れ
台風影響

 

 相次ぐ台風接近の影響で、生鮮野菜など島外からの入荷が今月9日以降止まっていた奄美市地方卸売市場は12日、鹿児島―沖縄航路の定期船で鹿児島から運び込まれた野菜や果物が4日ぶりに入荷、買受人らによるセリの声が響き、活気が戻った。ただ、13日以降は再び、欠航が続くとみられ、旧盆を前に島民らの食卓にも影響が出そうだ。また、相次ぐ欠航の影響で、収穫最盛期を迎えたマンゴーは、島外出荷ができず、同卸売市場の取引価格も値崩れを起こしている。

 名瀬中央青果によると、12日はキャベツや大根、ニンジン、レタス、ネギ、タマネギ、ジャガイモなど、島外からの入荷があった。取扱量や取引価格などの集計はこれから行う予定だが、キュウリは平年だと、1箱(5㌔)1800円程度で取引されるが、この日は3千~3500円と高値。同青果の担当者は、「台風の影響で13日以降、入荷の予定がないことや、本土のお盆と旧盆が重なったこともあり、例年に比べると高値で取引されている」としている。また、島外からの入荷が滞っている影響で、島内産の野菜の引き合いが増え、高値での取引となっている。8月2日に1㌔907円(高値)だった葉ネギは12日、2160円(同)と2倍以上の価格で取引された。

 一方、贈答用として島外に出荷されるマンゴーは、定期船の欠航で出荷ができず値崩れを起こしている。同市場での取引価格は、8月2日の3661円(同)以降、下落が続いており、10日には1372円まで下がった。12日は2214円と盛り返したが、同青果の担当者は「本土のお盆前で、贈答品としての引き合いも多い時期だけに、出荷できないのは生産者にとってはつらいはず」と話す。  

 今がマンゴーの最盛期だが、値崩れを起こしているため、出荷を見合わせている生産者も多いという。台風10号の影響で、13日以降の定期船も運航の日程が決まっておらず、出荷のめどが立たない状況で、生産者の男性は「注文を受けていた分は、航空便で送ったが、輸送コストなどを考えると利益はあまりない。早く台風が過ぎてもらわないと、収穫しても出荷できない」と嘆いた。