古里・奄美で博物館実習

受付を務め、来館者にパンフレットを手渡した水野さん

「生まれた島、再リスペクト」
水野ひかるさん(静岡大)

 奄美市名瀬出身で静岡大学人文社会科学部4年生の水野ひかるさん(22)は19~30日の日程で、同市名瀬長浜町の市立奄美博物館で博物館実習を行っている。リニューアルオープンに向けた収蔵庫の整理や、寄贈図書の目録作成などを通し、博物館での一連の業務を学んでいる。

 同館は奄美群島の拠点博物館として、博物館学芸員資格取得を目指す学生の実習を毎年受け入れている。これまでに実習とインターンシップで累計約50人を受け入れてきたが、今年度は水野さんのみ。

 水野さんは奄美市名瀬出身で、大島高校を卒業後に島を離れた。奄美の独自性や異文化への興味から大学では文化人類学を専攻。幼い頃から慣れ親しみ、博物館への興味を抱くきっかけとなった同館での実習を希望した。

 同館は24日にリニューアルオープン。式典の補助や受付を務めた水野さんは「多くのお客さんが来てくれて地域住民に愛されている博物館だと実感した」。式典終了後も膨大な量の寄贈図書目録作成や、受付業務に追われるが、「収蔵物や展示をじっくり見て、自分の生まれた島を再びリスペクトできた」と笑顔だった。

 水野さんの指導に当たった同館職員の山下和さんは「リニューアルもあったので、例年よりも濃厚に作業を体験してもらえている。社会人になって働く中で、実習でこんなことをしたと振り返ってくれれば」と語った。