水槽に入ったトウギョの稚魚を持つ子ども達=知名町=
里帰りしたトウギョの稚魚
知名町瀬利覚の田んぼで飼育
ファングル塾
【沖永良部】知名町瀬利覚集落のファングル塾による「トウギョの里帰り式」が27日、同集落の田んぼであった。昨年夏、ファングル塾がかごしま水族館に飼育を依頼したトウギョ4匹が増殖、稚魚40匹が地元に戻った。
トウギョ(和名・タイワンキンギョ)は、沖永良部島と沖縄本島にのみ生息する淡水魚で、環境省のレッドリストで絶滅危惧種ⅠA類に指定されている。
同集落の活性化に取り組むファングル塾では、2014年に「トウギョの里ビオトープ」を作り、トウギョの飼育を行ってきた。17年12月、この取り組みが評価され、日本ユネスコ協会連盟「プロジェクト未来遺産」に登録された。
里帰り式は、減少したトウギョを増やすことが目的。ファングル塾の朝戸武勝代表によると、ピーク時はビオトープに1000匹ほどいたトウギョの数が昨年から徐々に減り、今年春ごろにはほとんどいなくなってしまったという。原因は、水鳥やグッピーなどによる捕食のほか、産卵時の水温の低さが考えられている。
式には、塾のメンバーや地域の子ども達約30人が集まり、かごしま水族館の坂口建さんから7月上旬に孵化したトウギョの稚魚を受け取った。
知名小6年の中田海翔さん(11)は「数が減って寂しかった。もっとトウギョを増やして多くの人に見てもらいたい」と話した。
この日は、坂口さんによるトウギョの学習会も実施。子ども達は、産卵の様子やオスとメスの違いなどを学んだ。
受け取ったトウギョは、数カ月間別の水槽で飼育した後、田んぼに移される。