自衛隊が救出した要救助者を、同町消防団が担架に乗せ、救護所に運ぶなど、各機関の連携が見られた
「防災の日」の1日、2019年度瀬戸内町総合防災訓練が、同町の古仁屋小グラウンドなどであった。行政などの関係機関、自主防災組織から400人が参加。救出・救護、消火などさまざまな訓練を実施し、情報伝達、連携体制を確認。住民参加の避難誘導訓練もあり、防災意識の向上を図った。
訓練は町などが関係機関と合同で毎年行うもの。3年に1回は古仁屋市街地で実施している。また、今回は3月に開設した陸上自衛隊瀬戸内分屯地も初めて参加した。
訓練は、前日から続く局地的な豪雨により町に「大雨・洪水警報」が発表された想定で実施。住民参加の避難誘導訓練では町が町内全域に「警戒レベル4(土砂災害)避難勧告」を発表したとし、緊急速報メール(エリアメール)の送信なども行った。町民らは一列に並び、ロープを持ちながら避難した。
車両が土砂崩れに巻き込まれ、負傷者が発生した想定で行われた救出・救護訓練では、陸自瀬戸内分屯地と瀬戸内消防署が連携し、2台の車から要救助者(人形)を救出。海上自衛隊奄美基地分遣隊が用意した救護所に運び、医師らに引き継ぎ処置を施した。
このほかの訓練は同町地域女性団体連絡協議会(赤十字奉仕団)による非常炊き出しや、住民らによるバケツリレーでの初期消火など。古仁屋漁港同保安署所属の巡視艇「いそなみ」・監視取締船「ぱるさあ」を使用した海上訓練もあった。
全日程終了後、同町議会の岡田弘通議長は「今回から陸上自衛隊が参加し防災力がさらに向上し、充実した訓練となった。離島を3島抱える瀬戸内町では情報伝達、連携が大切。日頃から災害に対する備えを万全にしたい」と講評した。
同町では今年6月21日に梅雨前線の影響で大雨を観測。「警戒レベル4」が発表され、町内全世帯を対象とした避難勧告が出された。