黒糖焼酎出荷量は微減

18酒造年度需給状況
メーカーに偏り「業界全体好調ではない」
県全体前年度比7・1%減少

 

5年連続で2位に

県酒造組合(濱田雄一郎会長)は2日、2018酒造年度(2018年7月~19年6月)の県内産本格焼酎の需給状況を発表した。原材料別課税移出量でみると黒糖焼酎は7196㌔㍑と前年度0・8%減の微減。12年度以降横ばい状態で推移している。

県内本格焼酎の出荷量は、焼酎ブームの影響を受け1999年度から増加が続いた。その後、酒税法改正による価格値上げの影響もあり、06年度の15万5938㌔㍑をピークに年々減少。18年度出荷量は前年度比7・1%減の10万1023㌔㍑となった。

県全体出荷量は6年連続で減少し、5年連続で宮崎県に次ぐ2位の状況に。出荷量の減少要因として組合は、①市場の成熟化と各社の競争激化②大消費地への移出の減少③酒類の嗜好変化と、「話題不足」④低アルコールで、ふたを開けてそのまま飲めるアルコール飲料・RTD(Ready to Drink)の台頭と、ウイスキー消費量の増加―などを挙げている。

県全体の製生数は、13万3338㌔㍑と前年度を5・5%下回る結果に。黒糖焼酎では2000年以来19年ぶりに6千㌔㍑を下回った。同組合によると、減少は原料調達不足に伴うものではなく、出荷量減少に伴う在庫調整によるものという。

黒糖以外の原料別課税移出数量は、軒並み減少。全体の7割以上を占める芋が7万2885㌔㍑(前年度比8・1%減)。麦1万9860㌔㍑(同5・4%減)、米944㌔㍑(同9・3%減)そば137㌔㍑(6・2%減)などだった。

微減にとどまった黒糖焼酎出荷量について、同組合奄美支部会の乾眞一郎支部長は「業界全体では好調ではなく、メーカーにより偏りがある」と厳しい状況を語る。流通の充実による酒類の選択肢増加と、飲酒人口減により、島内の消費拡大は大きく見込めない。乾支部長は県外移出に関し、「東京以北の北関東や東北、北海道などの需要拡大に期待できる」としている。今後については「将来的なことを考えた海外での販路開拓など、支部独自の動きをしないと認知してもらえない。県内外でイベントなども支部として積極的に参加していきたい」と話した。